私の腕の中で眠る小夜。静かな寝息は子どものように無垢であどけない。
寝間着も着ないままの白い乳房に再び手を伸ばして柔らかな感触を楽しんだ。
小夜は私を恋人だと思い込んでいた。戦から帰ってきたら、包帯だらけの私を捕まえて仲間の名を呼んだんだ。
そいつは死んだよ。私はアイツじゃないんだ。
そう言おうとして、やめた。
小夜の恋人になりたかったんだ。
「ん……」
「起こしたか?」
「ん〜……スケベ」
眠そうな目で笑って私の体の上に乗ってきた。
「したい?」
「うん。小夜がいいなら何回でもしたい」
そう言うといやらしく笑って私の下半身に顔をうずめた。
口と手を使って大きくすると、ゆっくりまたがって私の一物を体の中に収める。
はぁ……っ、と息を漏らす小夜。それを見上げながら手は乳房に伸ばした。
偽りの幸せ。
それでもいいから傍にいたかった。
アイツに負けないくらい私は小夜を愛してるから、許してほしい。
私の名前を呼んでくれなくていい。
目を閉じた小夜の脳裏に思い浮かぶのは、私の顔じゃなくていい。
出来るだけ声も出さないから、思う存分アイツを思い出してやって。
アイツじゃなくて、ゴメン。
死んでいったアイツの代わりに私に小夜を守らせて。
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