簡単に口付けをして胸を優しく揉まれた。
耳、舐めて欲しいとか言ったら退かれるかな……女のくせに男の人より性欲があるなんて恥ずかしいもん。
言えない。
「ん……」
淡白な雄三さんに合わせてあたしも声を殺す。本当はたくさん喘いだり「もっと舐めて」なんて卑猥なセリフを言ったりしてみたいけれど。
そんな事を言えるはずもなくて、セックスなんてなくても平気って顔をしてる。
終わった後は髪を撫でてくれて「おやすみ」と額にキスしてくれた。
「雄三さん……」
「ん?」
「好き……」
「私も小夜が好きだよ」
ちょっと勇気を出して甘えてみたら、すごく嬉しそうな顔をして頬を撫でてくれた。
失礼だけどカワイイと思ってしまうくらい少年ぽいはにかんだ笑顔。
眼鏡がないせいもあるのかな。
「ふふっ」
「何?」
「何だか安心したの」
「……?不安だったのか?」
「うん。でも、もういいの」
あたしを好きだって笑ってくれたから、それで満足。
エッチは嫌いでも、あたしを好きでいてくれたら充分だ。
「気になるじゃないか。言ってみなさい」
「もういいんだってば……」
「ダメ。言いなさい」
「う……」
こうなったら雄三さんが折れる事はまずない。
言うまで絶対許してくれないし、誤魔化しの通用する人でもない。
「あのね、もっと色々してみたいな……って……ほら、雄三さんって淡白だし……でも、もういいの。好きって言ってくれたら満たされちゃった」
言ってて顔から火が出そう……雄三さんの反応が怖くて胸に顔を埋めて隠した。
「小夜が……言ったんだぞ?」
「え?」
「オジサンくさいねっとりしたセックスは嫌いだって……だから……」
はて……そんな事、言ったっけ?
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