『どうしてもと言うなら連れて行ってやる』
そうメールが来たのは夜になってからだった。1日落ち込んでいたあたしは嬉しくて嬉しくて、すぐに返信をした。
週末を待たずに明日にでも時間を作ると言う。あたしのワガママに付き合ってくれると言うことは、少しは気持ちがあるのかもしれない。
待ち合わせをして腕を組み、ネオンの光る街を歩く。照星さんはどんどん派手なネオンの方へあたしをエスコートした。
「この辺って……あまり来たことないです」
「この地下だ。本当に行くんだな?」
「はい!楽しみです」
浮かれてるあたしとは対照的に重いため息を吐き出す照星さん。嫌々だけど仕方なく連れて来ましたって顔だ。
暗い階段を降りると受付のようなカウンター。
想像とかなり違う……黒い壁、黒い床、黒い天井。それにライトは赤という何だか怪しげな雰囲気。
「会員制になっております。男性、女性共に身分証のご提示をお願い致します」
男性店員にそう言われ、免許証を出した。本名に住所と電話番号を申込書に書き、照星さんが会費と料金を支払う。
……って二人で二万円!?高っ!
「あたしが出します!来たいって言ったの、あたしなんですから」
「いいから黙ってて……」
照星さんが恥ずかしそうにしてるのを店員さんが「大胆なパートナーをお持ちで羨ましいです」とクスクス笑った。
案内されて店員さんと照星さんについて歩く。
中は列車のボックス席のような……所で……
も、ものすごくイチャイチャしてる……
思わず我が目を疑ったが、脱いでる人も……いる
イチャイチャって言うか……
これって、みんなエッチしてる……!?
嘘でしょ……
目の前が、真っ暗。照明のせいだけじゃないはず。
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