キミとボクで、はんぶんこ | ナノ
#キミとボクで、はんぶんこ
こんにちは、ボクはティールの部屋に住んでいるかえるだケロ。
今、ティールは冒険に出かけているから、ボクがお留守番しているんだケロ。
なんでも、くいしんぼうのリュッタが、『トルテの実のクッキー』をたべたがっていたケロ。
そんなリュッタの力になろうと、ティールもいっしょに『トルテの実』を探しにいったケロ。
もうそろそろ、冒険から戻ってきてもいいころだと思うケロ。
ティールとチビドラがいないとさみしいケロ…。
あっ、ティールたちが帰ってきたケロ!
「ただいま、かえるくん!」
「キュキュ〜ッ」
「ティール、チビドラ、おかえりケロ!今回の冒険はどうだったケロ?」
お留守番をしているボクは、ティールの冒険話を聞くのが何よりの楽しみなんだケロ。
「うん、冒険は大成功だったよ♪ほら、『トルテの実のクッキー』だよ。はい、かえるくんの分とチビドラの分。」
ティールはボクたちにクッキーを手渡すと、
『みんなにクッキー配ってくるね』
と言って、いそがしそうに部屋を飛び出していったケロ。
ティールからもらったクッキーは、夜空にぽっかりうかぶ、まんまるいお月さまのような形で、とても香ばしいいい匂いがするケロ。
どんな味がするのか楽しみで、うれしくて、ボクはピョンピョンととびはねたケロ。
チビドラもうれしくて、クルクルとおどっていたケロ。
でも、チビドラはうっかり手をすべらせて、持っていたクッキーを落としてしまったケロ。
チビドラのクッキーは、こなごなになってしまったケロ…。
「…キュー…」
小さなつばさをたたんで、背中を丸めてしょんぼりしているチビドラがかわいそうで、ボクはクッキーを半分わけてあげることにしたケロ。
「はい、チビドラ。キミとボクで、はんぶんこケロ。」
「キュ、キュ〜♪」
半分になったお月さまを、チビドラと一緒に、ぱくりと食べたケロ。
それはそれは、とってもおいしかったケロ!
クッキーもおいしかったけど、きっと、チビドラと一緒に食べたから、もっとおいしくなったケロ♪
「ただいま〜!」
パタパタと、ティールが帰ってきたケロ。
「みんなに配ってきたよ〜。…って、クッキー落としちゃったの?余ったのがあるから、みんなでわけて食べようね♪」
そう言うと、ティールは小さなテーブルを出してきて、ボク用の小さなイスと、チビドラ用の小さなイスを用意してくれたケロ。
「はい、召し上がれ♪」
小さなテーブルの上に、お月さまが3つのぼったケロ。
ティールの冒険話を聞きながら、みんなで一緒にクッキーを食べたケロ。
クッキーは、さっきよりも、もっともっとおいしかったケロ♪
きっと、みんなで仲良く楽しく食べるから、おいしくてたまらないんだケロ!
あとがき
主人公…あまり出てきてませんね。かえるくん視点のありがちな小話です。
白竜編をやると、部屋にはかえるくんの他にチビドラとも一緒に暮らせるのが嬉しかったりします(^-^)
あのドット絵も、絵本の絵もかわいいので凄く好きです。
なにげにフクロウもかわいいので好きです。
部屋にいたらいいのにとたまに思ったりします(笑)
2009年3月7日 風の字