ある朝、
俺は不可解な現象に襲われていた。

人間誰も、疲れているときに寝て、起きてすぐに体を起こせるわけがない。
目も開かないし、指先一本動かすことが出来ない時だってある。
そんなとき、序序に目を覚まして、さぁ起きようかって気分になるはずだ。
その日、俺はいつもと逆で眠気眼のまま、体を起こそうとしたわけだ。

「……?」

思うように体が起き上がれない。
金縛り……?
いやいやとありえない。
よくありすぎる階段で夜中にはっと目覚めてみると自分の体の上にばあさんが乗っかってました、うっわー怖いとかそんなパターン。
いや、まさにその状態。
俺の腹にまたがっている黒い物体。
それは人間のようだが、部屋がまだ暗いせいかそれが何なのかよく分からない。
動く首だけを動かし窓の外を見るとまだ朝日はおはようございますしていないらしく薄暗い。
とにかくこれに足は生えているらしい(幽霊じゃないか)
それは俺の顔のすぐ横で手をつくと俺の髪をいじりだした。
抗議の声を上げようとして乾いた喉を痛めつけたとき、俺の顔にその物体の髪がかかった。
長いツヤのある髪、そして、夜目になれた目で「それ」の正体を暴いたときだった。

(こいつなにやってるんだよ)

そう、正体はほかでもないエルだった。
おい、確か昨日は夜遅くまで俺の部屋で二人で話をしたが、ちゃんと部屋まで送ってやったはずだ。
レイヴンに「青年、送り狼なんてことないよね」なんていわれて一発入れてすぐ寝た、よな。俺。

エルはは俺の髪をいじり終わったのか、体を起こすと跨ったままを俺を見下ろす。
って言うか、これはどういうシチュエーションだ?誰か説明しろ
ていうかお前が説明しろエル。
というか俺、いつまで寝たふりを決め込んでいるんだ。


もしかして、こいつ、寂しくなってここに来てこんな暴挙を犯したとか。
リタか、冷静を装うところからするとそれ以上のツンデ……素直じゃないこいつが人肌が恋しくなりましたなんてなってもおかしくないと俺は思う。
しかたねぇやつと、俺が#エル#の体を支えていた両手をつかみ、体制を崩させようとしたとき。

「!」

急に目前でフラッシュを焚かれたのは。
至近距離からの攻撃、かなり利いた。
俺が条件反射で体をかがめたとき、犯人は俺を押しのけ逃亡を図った。
ばたんと鼓膜が張り裂ける音を立てて閉まった扉。
悲鳴を上げぎしぎしと不吉な音を立てる扉を俺は呆然と見つめていた。

「……。なんだったんだ」

……まさか、今のワンダーログのあの人とか笑えない冗談にわねぇよな。
姿が見えなくて髪が長い、ツヤがある。
女っぽい……まぁ他にやるやつと矢っていいやつがいないのでそう決めたが。
ワンダーログとか……いわねぇよな?

そんな俺の疑問に答えるように扉の向こうから明るい会話が届く。


「やっととったよ、うさみみ(紳士用)」
「あら。よくやったじゃない」
「早速現像しに行きましょうか」
「エル姐よくやったのじゃ。うちは枕にはさんで寝るのじゃ」
「パティー。これ高いよ」
「うー」
「リタあとで一緒に見ましょうね」
「エステルがそういうなら」

ばっと俺が頭に手を伸ばすとそこには天井に伸びる二本の触角、もというさみみ(紳士用)

「エル!」
「っげ……」
「あ、エル姐がどこ行くのじゃー!」


俺が部屋を飛び出ると、映像魔導器を抱えて全速力で廊下を走り抜けていくエル。
その背中を追おうとする俺の姿を見てエステルは「うさみみ……(紳士用)」と呟き3人は笑いやがった。
だから俺はこいつに言う。
お前には色気もそう思わせる感じもしないのだと
そして俺の気持ちを返せと。

ある朝の出来事
 (しかもこの耳とれねぇし)


言い訳。
昔下書き書いて消えたものを1から書き直したもの。
なんていうか、ユーリ偽者ですから。
本編でもう少し仲がおよろしくなったら、こう。
夜這いなんて展開も(ry
アリマセン、エロカクユウキアリマセン
とにかく言い訳と解説で早朝ユーリの元に夜這い……もとい寝起きドッキリに来た夢主でした。
ワンダーログでいいんじゃね?これ←
これで寝顔+うさみみ(紳士用)のネガを取られたユーリは夢主に脅されてあんなことやこんなことすればいいと思います!(
お粗末さまでしt……


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