「新型何してんの、早く行くよ!」
「はい!」
フェデリコ達とともに新型として支部に入った私の名前は翡翠、こうして神機を手にしたのは初めてだが、私はレンくんと同じくらい神機のことは知っているつもりだ。 そんな今日は強襲兵トップであるジルさんと、タツミさんとレンくんと一緒に初任務に向かうところだ。 あのふたりはまだまだ簡単な任務にしかつれていってもらえてないというのに、私は初日からディアウス・ピターの討伐で、今から不安でしかない。 全員にかぶらない程度の武器に持ち替えて動きやすい服装に着替えると、既にジルさんは露出に多い服に着替え終えて待っていた。 急いでそこに向かおうとしたとき、後ろからレンくんが声をかけてくる。
「翡翠」
「え、」
「ここ、ほつれてますよ」
「あ、本当だ、ありがとう」
「いいえ、それよりその服、暑そうですね、体力消耗しませんか?」
「そ、うだな…どうしようか」
「これ、どうぞ」
不格好な服だったことに急いで気づいて新しい服に着替えようとしたとき、厚そうだと文句をたれていたのは女性顔であるレンくん、これを言うと怒るんだよな。 言い終わればレンくんは何やら服を取り出して手渡してきた、男の子にしては可愛らしい服装である彼にもらう服はどれだけ可愛らしいのだろうとわくわくしているとそれは驚き満載で、露出なんてジルさんに負けないぐらいに出るとこは出ている様、あたふたとそれをつっかえすとにやりと微笑んだレン君がそれをまた押し返してくる。
「これ、着てくれますよね?翡翠の大好きなエメラルド色ですよ」
「で、でもレンくんこれは流石に…!」
「涼しいですし動き易い、最適だと思います、さ、翡翠」
「こ、コラ!」
「何してんの、遅い、さっさとくる!ほらレン、からかってんじゃないよ!」
「レンも年頃だもんな」
「そりゃ、ずっと昔から翡翠といればそうもなりますよ」
「レンくん…」
私には神機の気持ちがわかるという特殊な能力がある、それ以前に年齢などレンくんと同じく不詳で、大体14歳といったところ。 それをあたかもばらす様に言うレンくんに無言で睨めばわざとらしく笑われた。
服は丁重にお断りをして私は違う服を手にとった、それをそのまま身にまとい少しお怒り気味のジルさんと、それをなだめるタツミさんを追いかけた。 その後ろからぴったりとくっつくように傍に来たレンくんに声をかけられる。
「勿体無い…」
「ただのおっさんだよレンくん」
「何を言ってるんですか、僕は君を想って」
「もういいから恥ずかしい!」
「…帰ったら強制的に着せますからね」
「そのまま流れ込みそうだから断固拒否ね」
「失礼です」
「そうかな」
なんとなくレンくんのおかげで緊張がほぐれてリラックスできた気がしたから、強く責めることはできないけれど、だけどやっぱり彼の話術には困ったものだ。
セクハラ。 (もっと足出してほしい…) (レンくんどこ触ってんのさ!) (どこって、翡翠の足ですよ、ほら) (やっ…ばか!) (ちょっと触っただけで感じたんですか?ふぅん) (こらやめろ…!)
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