にこにこにこにこ。 気に食わないったらありゃしない!
自分を押し隠す幼馴染の一郎太に、今日も私と守は頬を膨らます。 どうにかならないの!?あの愛想笑い!最近見ることのない彼の本当の笑顔に、あの守でさえ頭悩まされているのだ。 どうしたらいい?どうしたらいいかな守。
「小鳥のが心配だよなぁ…だって風丸と小鳥は…」 「言わなくていいっ」
嫌なことは嫌って言って!断りもせず流されて、女の子とぺちゃくちゃぺちゃくちゃ、その顔は凄く引きつってていつも私に助けを求める顔、かと思ったら今度は私がちょっとクラスの男子と話すだけで睨みつけてきてでも何にも言わない、ねえ一郎太あなたは何が嫌で何が好きなの? あなたが今まで断ったといえば告白ぐらいだよね、へたれ…へたれへたれへたれ!
「悪い待たせた!」 「だいっきらい!」 「…え」
心にもないことを言えば守にあちゃーと心配されて、ああ、ああもう! 放心状態になる一郎太に慌てて謝れば、それが本心か?なんて聞いてきて、そんなわけ無いでしょなんでそうなるの! 嗚呼神様、私はこんな一郎太が好きで好きでたまらないですどうにかしてください!
結局は私だって神頼みなわけで、ああどうしてあなたはそうなの、でもそこがいいんだよね昔から、そう昔からそうだった。 だから今更どうのこうのいいたくないけど、けどさあ!
「一郎太ってさ、私といて楽しい?」 「ああ、とっても」 「っ、」
ああもう本当にだいっきらい。 照れた笑顔でそう言われちゃったら、もう何もかも私が悪いみたいじゃない。 私が悪いんだけど!
だいっきらい! (やきもちやきな、) (私がね!)
120712
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