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可哀想、と。
はらりと涙を溢す女にたったそれだけを思った。
キャンキャンと五月蝿いのは間違いなく桃色の長髪を振り回す幼馴染みで。
五月蝿いというよりかも姦しい、か。
全く昔から変わらない女だ、と思う。
否、女というものは総じて変わらないものか。
幼少の頃はやたらと大人びたもんだと思ったがいざこう正面から見てみると大人びているのは見掛けだけかと実感する。肝心の中身は、まだ幼少のままだ。嘆かわしい、とでも言うのだろうか。
しゃくりあげずに泣く女は、今しがた俺が振った女だった。
幼馴染みは断り方ってものが有るだろうと喚くが、俺としては無駄な希望すら残したくないのが本音だ。これが男女の違いという物だろう。
「青峰君!」
「うるせーな。俺には女作る気なんかねぇんだよ。余計な真似すんな。」
キンキンと耳に痛い声で叫ぶ幼馴染みに、ふつりりと湧いた感情はとてつもなく暗い。
だから女は嫌なんだ、と一人ごちて俺は早々に中庭を後にした。


だからなんなんだっていう




2013/02/18 18:12 Back

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