帰り道を歩いていると
喉が乾いていることに気づく
「ジュースどこかな」
自動販売機を探す。
よく通る道なのにいつもボーっと
歩くためそれがあるのかすらわからない
「あった」
財布を取り出す。
あいにく小銭がなかったため
1000円札を取り出し、入れる。
ウィィン
私の1000円札が飲まれていくのを見る
何を飲もうかな
眩しい光に目を細めながら
ジュースを選び、ボタンを押す。
と、勢いよくおつりが出てきた。
おつりを財布にしまい
家までの道を歩き出す。
♪〜♪〜♪
小さな声で歌を歌う。
音痴なため、途中で自分がいま
何を歌っているのかわからなくなるが
そこは無理矢理曲をつなげ、
また違う歌を歌う
すると、突然誰かに肩をたたかれた。
誰だろう?と考えるよりも先に
さっきまで歌っていた歌を聞かれた
ということが恥ずかしくて仕方がない
顔が熱い。
振り向くと男の人だった
スッと無言でジュースを差し出された
「あ……」
それはさっき私が自動販売機で
買ったジュースだった。
大量のおつりに目を奪われ、
ジュースを取らずに
そのまま帰っていたのだ。
あーもう、ボケてるなーと
頭の中でひとりつぶやく。
「ありがとうございます。」
男の人にお礼を言い、
家がある方向へと進む。
しばらく歩き、
そういえばさっきの男の人に
会ったこと…あるような、ないような…
知り合いだったかな、
そしたらもっと話したかったなー
と、後悔しながら
一生懸命記憶の中から探すが
思い出せない。
まあ、いっか。
諦めが早いことは私の悪いところだと
自覚しているが、仕方がない。
こうやって育ってしまったんだ
と人のせいにする。
家に着き、お風呂に入る。
お風呂から上がり
ホワイトチョコを食べながら
借りてきたDVDを観る。
幸せな時間だ