28 「じゃーん!名前さん特製オムライス〜!」 「おぉー!」 「美味しそう!」 海から帰る途中にスーパーに寄って食材を買って帰り、私と燐くんとで夕飯を作った。 「アンタ料理出来たのね」 「ちょびっとだけ…」 「なぁなぁ、何で杜山さんと出雲ちゃんのオムライスはハートが書いてあるん?」 廉造くんが言うように二人のオムライスにはケチャップでハートが描かれている。 「ん?二人とも可愛いから!」 「なっ!?何言ってんのよ!」 「痛ァァァ!!な、何で叩くの!?」 「うるさい!」 廉造くんに説明してあげると出雲ちゃんに叩かれた。 あれ?照れてる? 「ずるいやん!俺もハートがええ!」 「そないなこと言うとらんと早よう食おうや」 「そんなん言うて坊もほんまはハートがええんとちゃいますの?」 「…………」 「えっ!?図星なん?痛ァァァ!!」 「やかましい!!」 「しえみ!俺と交換しようぜ!」 「えぇ!?やだよー!」 「まあまあ…冷めてまうから食べましょか」 子猫丸くんの一言で「いただきます」と言ってみんな食べ始めた。 「美味しー!」 「えへへ、良かった!」 「名前さん料理上手やね!」 「いや、そないなことないよ?」 ほとんど燐くんに手伝ってもらっちゃったしね。 「名前!俺の嫁に…!」 「奥村ァァァ!!お前何言うとんのや!?」 「名前ちゃん!俺のとこに…!」 「お前もや!志摩ァァァ!!」 * 「あれ?出雲ちゃんとしえみちゃんは?」 「先に寝る言うて部屋に行かはったよ?」 「そっか」 お風呂から出てくると二人の姿が見当たらず、子猫丸くんに聞けばもう寝ているようだった。 「お茶飲むか?」 「うん!ありがとう!」 「ん、」 「ロフトっていいなー!ここからでもテレビ見れるぞ!」 「いや、さすがにテレビは見にくいやろ」 ソファーに座っていると竜士くんがお茶を持って隣に座った。向かいのソファーには子猫丸くんがいて、燐くんと廉造くんはロフトで何やら騒いでる。 「お前髪濡れとるやないか」 「わっ!ちょっ!」 首に掛けてあったタオルを竜士くんに奪われわしゃわしゃと頭を拭かれる。 「ぶはっ!ぐしゃぐしゃやで?」 「誰の所為よ!?」 竜士くんはタオルを退けると頭を撫でてぐしゃぐしゃになった髪を整えてくれた。その優しく撫でてくる手に瞼が重くなってくる。 「名前さん眠そうやね」 「うん…ちょっとだけ」 「寝るんやったら布団入りぃ」 「うん〜」 「おい、聞いとるんか?」 「うん〜」 「いや、絶対聞いとらんやろ?」 「………」 「シカトか?コラ」 横でごちゃごちゃ言ってる竜士くんを無視して私は彼の肩に頭を預ける。 ダメだ…眠い… 「お、おい、名前?」 「すー…すー…」 「あかん、寝てもうた」 「疲れてはったんやろな」 「しゃーない奴やな…(かいらしい…)」 |