26 バスを降りてから山道をひたすら登ること20分― 今日から二日間泊まることになるコテージに到着した。 「すっげー!」 「わぁ!綺麗…!」 「あの先生ほんま何者なん?」 椿先生から預かった鍵を使いコテージに入ると広々としたリビングが目に入る。フローリングの床の上に敷かれた絨毯。そこには大きなテーブルが一つとソファーが。そして部屋の隅にはテレビが置かれている。キッチンは簡素なものが設置されてあった。 「お風呂も綺麗だよ!」 「良かったね、出雲ちゃん」 「そうね、とりあえず安心したわ」 玄関脇の廊下にはドアが二つあり、一つはトイレでもう一つは洗面所と広めのお風呂となっている。 「部屋も綺麗やね」 「ほんまや…和室まであるんかいな」 リビングの隣の部屋は和室が一部屋あってこちらも広い作りになっている。 「ぅお!?見ろよ!ロフトがあるぞ!」 リビングから上へと続く梯子はロフトへと繋がっている。 「わっ!結構高いね!」 燐くんに続いてロフトに上がってみる。吹き抜けになっているためリビングが一望出来るようになっていた。 「俺ロフトがある部屋なんて初めてだ!なんかかっけぇな!」 「ね!ここで寝たら気持ちよさそうだね!」 「そんなら俺と一緒に寝よか」 「へ?」 ごろんと仰向けになって寝ているとその上に廉造くんがニコニコ笑いながら覆い被さってきた。 「れ、廉造くん!?」 「そない誘われてしもたら俺我慢出来へんよ」 「誘ってないからァァァ!!」 「志摩!お前何して…っ!?」 「志摩ァ…お前は何しとるんや?あぁん!!?」 「ひっ!?…ぼ、坊!!?か、軽い冗談やん!か、堪忍え!!」 声がした方へと顔を向ければ恐ろしい形相の竜士くんが仁王立ちしていた。 それを見た廉造くんは顔を真っ青にする(何故か近くにいた燐くんも青ざめていた) 「問答無用や!!この変態がァァァ!!」 「ぎゃあああ!!!坊!?お、落ちてまうよ!?」 「地獄に落ちろや!!!」 ガシッと廉造くんの頭を掴んだ竜士くんがロフトから突き落とそうとしている(若干本気…?) それをただ呆然と見ていると誰かに首根っこを掴まれる。見ればこちらも怖い顔した出雲ちゃんがいた。 「アンタは私と和室で寝るの!それでいいわね?」 「は、はい…是非そうさせて下さい…」 「名前ちゃん!私と神木さんの三人で川の字になって寝ようね!」 「う、うん…(川の字?)」 「ほんなら僕ら四人はロフトで寝よか。奥村くんもそれでええかな?」 「お、おぅ」 未だにぎゃいぎゃい騒ぐ二人を気にすることなくあっさりと部屋割りが決められた。 |