エイトが重たい扉を押し開け、いよいよ中へ。

そこにあるのは広い遺跡のような空間だった。

「うわぁ……綺麗に造られてるね」
「ここは宝を守るためにわざわざ造られたらしいでがすよ」



洞窟は少しひんやりしてた。でもじめっとする感じもする。
なんとなく旧修道院を思い出すな……。不潔な感じはしないけど。


「ビーナスの涙はあそこにある宝箱に入ってるの?」

ゼシカが指差して言う先に大きな宝箱がある。

「そうでげすな」
「そこを目指せばいいってわけだな」

目の前に目的地がありながらすぐにはたどり着けないのがもやもやする。

「迷路とか仕掛けとかあるのかな?」
「きっとありそう……一筋縄では行かなそうだね」

奥の道に進んでいくエイトと話しながら一つの扉を開けると、早速分岐点が出現した。






「道がたくさんある……迷いそうっ」

初めに見た印象とはガラッと変わって、迷宮のようになってきた。
やっぱりこの洞窟を作った人は仕掛けてきてるよね……。



「あそこに落とし穴まであるわ……気をつけましょう」
「落ちないように行ってみよう」

エイトの指示で、落とし穴がある通路の方へ進んだ。

落とし穴の下をのぞくと、毒の沼地が広がっているのが見えた。

うわぁ……
落ちたら痛そう。

と思いながらも、穴には落ちずに通り終えた。


その先に扉が二つある。


「いかにも怪しいでげすね」

「絶対何かあるわね」

何かあるとはわかるけど、いったい何が仕掛けられているのか予想もつかない。

「行くしかないね」

「そうだね。とりあえずこっちから……」

エイトが一方の扉を開け……

……ようとするが、開かない。

「鍵が掛かってるのか……おわっ!」

エイトがドアノブを回しているといきなり扉が開いた。
というか飛び出した!


扉の真正面にいたエイトはふっ飛ばされた。

そして穴に……


「…………エイト……」

落ちなかった私達もエイトの元に飛び降りる。


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