【51-60】
ただ、伝えたかった言葉(愛してた、)
単なる酔狂だと彼は笑った
一体何がしたかったのよ!(嗚呼、もう答えてはくれないのね)
掠れた声で君の名を呼ぶ
握り締めた掌は冷え切っていた
私の声、届いていますか(返事をして下さい、ねえ貴方、)
愛して、愛して、愛した後に
お前が気付かない内に消えてしまおうかな
互いに騙し合っていた(そして、互いに気付いていた)
さよなら、ずっとあいしてる
【61-70】
筐底に秘す
こんな俺を狂っていると蔑むかい?(でもね、愛していたんだよ)
パラノイアは発狂した
本当は何も手に入らないと、知っていたのでしょう?
水底に沈んでゆく想い(後はただ腐敗するだけ、)
神よ、私の罪を御赦し下さい(彼を愛してしまったのです)
ルージュをなぞって、口付けて
求めていたのは救いだった、なんて(今更言える訳も無い)
私は泣いた、空も泣いた
こんにちは、屍さん(御元気ですか?)
【71-80】
荊で縛って動けなくした(僕だけのものにしたかった、から)
遺伝子レベルの恋がしたいのです
ソネットの十五行目に綴られた情愛(きっと、誰の目にも映らない)
出会いからキスまで五秒(いくら何でも早過ぎるわ!)
どうもごきげんよう、さようなら
愛情、或いは憎悪
ピアスで塞いだセンチメンタル(ああもう、身体中穴だらけよ)
それはまるで麻薬の様な、
出来る限り残酷に殺して下さい(そうすれば貴方の事、恨めるでしょう?)
ネバー・セイ・ラブ
【81-90】
汝、クロルプロマジンを愛せよ
うそ、っていうのもうそ(アンタなんて大嫌い)
逆回りの時計を手に入れたならば(今度はちゃんと伝えるのに)
ディープキスで窒息死
屈折した愛でも構わなかった(なのに、それさえも与えてはくれないのね)
殺してくれと呟いた
殺してやると囁いた
愛故のカニバリズム(骨の髄まですすって頂戴!)
首筋に待針を突き刺して、微笑
切り刻んで、縫い付けて(あ、解けちゃった)
【91-100】
お前はもう戻って来ないんだろう?(とっくに分かっていたさ、そんな事)
もう一度抱き寄せてよマイダーリン!
愛してくれなくても良い(だから、そのまま息の根を止めて)
狂っているのは、俺(狂わせたのは、お前)
もし、空が萌黄色に染まったら、(その時は、僕を愛してくれますか?)
ざくり、突き立てた
どぷり、溢れ出した
致死量の誘惑(与えてよ、もっと)
どうせ死んでしまうのならば(最期は愛しい君の手で)
それは求愛の常套句(お前を殺して俺も死ぬ!)
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