【1-10】

二人の間に立ち塞がる障碍はもう何も無いのに

そんな事は一瞬一秒足りとて望んじゃいなかった僕が欲しかったのは、

惨い人ね、と囁く女の笑みが何より一番、惨い

お前と一つになれない世界なんて滅ぼしてしまおう一思いに

殺したら永遠に僕だけの君で居てくれるよね?じゃあ殺そう今すぐ殺そう

残念でした、愛情の賞味期限は先週で切れてます

この血肉が全部、貴方の中に溶けて仕舞えば良いのに

今更どう足掻いても決して外れぬ、

「ねえ、俺だけを見て」出来ないなら目玉抉り取ってやる

すぐに後を追うからね 安心して先に逝っといで


【11-20】

だって、所有物には名前を刻んでおかなくちゃ(もしも亡くしたら大変だもの!)

欲しい欲しい君が欲しい、どうして手に入らない届かない?

憐れで可哀想なお前が好きだよ愛おしいよ 誰よりも

じゃあ左手の薬指を下さい ホルマリンに漬けて保存しておきたいので

それが貴方の愛ならば、どんな歪な形であっても構わなかった(傷付いても、殺されても、身体が失せても私は貴方を、)

救いを乞うて泣き叫ぶ声すらどうしようもなく愛しいのだ

お前を愛して良いのは俺だけ 壊して良いのもまた然り

嘘吐き愛してくれるって言ったのに嘘吐く舌なんか抜いてやる!

恋は居留守を決め込み、愛は絶賛家出中

そろそろ堕ちて来る気になった?やあ、おいでませ絶望の淵へ


【21-30】

器が朽ちても腐っても、魂だけは未だあの頃のまま君の影を求めている

苦しくて辛くて哀しくて痛くて、俺を傷付けて止まないアンタなんて、

貴方、好きでしょう?こういうの、無意味で虚しい吐瀉物の処理

世界は何より美しい それでも愛せないのは君のせい

救い上げた端から零れ落ちて逝くもの→二人の心

大丈夫、最初に壊しておけば微かな綻びも気にならないから

実は「鬼さん、此方」と誘う者もまた鬼であり、

盲目なんてレベルじゃない、僕の世界には君しか居ない

情動、いとも容易く臨界点突破

君に呼吸を奪われて死にたい



世間から浮き彫りになる己の異常さ、一番知っているのは他ならぬ

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