【1-10】

掌に残されたのは鮮血みたいに真っ赤な一枚の羽根だけでした

そうやって貴方は私を含めた全てを棄てて行くのね、

何だか無性にその棚引く純白を追いかけてみたくなった(たとえ、永遠に追い付けないとしても)

燃え上がる業火よ嵐を破れ

多国籍でも日本代表です

さあ、壊れた脳細胞に新たな感情を与えよう

彼女の気性が荒いのは僕の相棒の影響かなあ(多分、本人に言ったら大変な事になるから言わないけれど)

修道院とは名ばかりの、

凍り付く世界に一人佇んで、ただ、あの人の帰りを待っていた

優しい虎の愛撫に溺れる


【11-20】

彼のまとう冷気は何故か私の身体を火照らせる

もし女王陛下が居なかったら、君はどうなっていたのかしらね(なんて、笑えない冗談)

どうして あなたでなければならなかった

キャッツアイの誘惑

行きなさい、新しい世界が君を待っている(どうか振り向かないで、私の事は全部忘れて)

いい加減に前髪の向こうの素顔を見せてダーリン

流した涙は誰が拭った?

天高く駆ける真紅の翼に夢を馳せて

せめて背中を見送る事、許してくれても良いでしょう(もう二度と逢えないと云うならば、)

美しくもない私を好きになった理由を是非教えて欲しいのですが


【21-30】

仮面の下の無垢にノックアウト

貴方の鋭い鉤爪で、此処から奪い去って頂戴な

運命の河原

二人だから出来る事が有る(二人にしか出来ない事が有る)

いっそ今すぐにでもその牙で噛み殺してくれたなら、

大海原に沈んだ私の恋心

まだ終わらない、終われない(だって、約束したから)

頂点の重圧に押し潰されそうになっていた時も、傍で見守ってくれていたのは、

性格の不一致よりもむしろ味覚センスの不和の方が問題だ

冷ややかな眼差しの奥に誰のものよりも熱い情熱を垣間見た


【31-40】

通り過ぎた一陣の風に一目惚れ

この焔に誓おう、もう二度と漆黒の力を求めはしない、と

氷の牙城を突き崩せ

あの時、何故自分は孤独だとひたすらに思い込んでいたのだろう(何時も隣では彼女が微笑んでいたのに、)

嗚呼、彼の瞳に秘められた狂気を見抜けない私が愚かだったのです

伝統に縛られた不自由なプライドなんて捨てちまえ!

敢えて悪役を買って出たのも可愛い弟の成長の為

基本的に金持ちは自我が人一倍強いから、(要は僕達、皆、エゴイストって事さ)

さらさらの黄金が夕陽によく映えて、羨ましい限りですね

本当は、何時だって彼の精神は危うかったのだ



玩具遊びと笑わば笑え、