【501-510】

この心の奥に秘めた感情が醜いならば、きっと私の顔もそうなのでしょう

コバルトブルーの空は何時から終焉を孕んでいた?(最後まで気付けなかったのは私だけの様だ)

消滅の寸前における愛の告白程残酷なものは無い

まともな理由なんて要らないだろうだって僕達はこんなにも、

彼女の羽根はもう折れてしまったよ(だから今は、自由を歌う事も出来ないのだ)

私の中に存在するあなたの影は何時まで経っても消える事は無く、ついに肉体を喪失して後も付きまとっていた

いちたすいちのこたえ

出来る事ならこの恋心ごと一思いに葬り去って欲しかったのになあ

忘れたいのに忘れられないのは、(多分、君が見せた最初で最後の涙のせい)

アントシアニンの多様性、まさに藍より青し


【511-520】

五秒後に失くす無垢への手向け

温い色欲に浸かっていたくはないのよ(私はそんな、殊勝な女でいられないから)

白い指先が濡れた睫をなぞる仕草に欲情

頼むから俺に笑いかけないでくれ虫唾が走る嗚呼何故お前はそんなにも綺麗に笑うのか(俺の心がどんなに穢れているかを思い知ってしまうじゃないか)

滲んだバイオレットにゆらゆら、沈む

私から貴方へ捧げる愛は持ち合わせていません(残念ながら、雀の涙程もね)

今日、お前を見失った世界が死んだ

必中ロシアンルーレット(さあ、遠慮なさらずとも御先にどうぞ)

誘発するコーラルピンク

お前はそれを卑怯だと嘲笑うか


【521-530】

ドゥームズデイ・マシンの破壊を希望する

そういえば、あの捻くれ者の虎は時折大海原に憧憬を抱いていたっけ

さよなら僕のシェリー、ずっとずっと忘れないよ

愛して憎んで、殺めてあげる(それを望んだのは貴方自身だもの)

墨塗り回顧録

嗚呼、なんて可哀想なデイジー(あんなに待ち望んだ夜明けが訪れる前に枯れてしまうとはね)

その黒い光は見た目よりも重い

がらくたを寄せ集めて造り上げた鎧は、とてもではないが強固なものとは称せなかった

誰もが胸の内にアンビヴァレンスを飼っている(各々に差異は有ろうが、根源は皆同種だ)

干からびた池の残滓に取り残された魚の過去


【531-540】

ディアレクティクは本能の真理を導かない

未だあの日の空が切なく心の奥で震えている

完璧過ぎてもつまらないだけって事、分かる?(とどのつまりは、完璧主義者なんて取るに足りない人間だって事さ)

虚脱感に苛まれる灰色のジンテーゼ

白々と闇に浮かぶ骨の欠片を拾い頬摺りをした

中途半端なアウフヘーベン等一思いに砕いてしまえ(どうせ、誰も興味を持っていやしないのだから)

腐敗臭に満ちたカタコンベにて、一人、死に想いを馳せる

全て置き去りにして旅立とう、僕の意味を見付ける為に

手に入れた途端みすぼらしく感じた(それまでは、とても魅力的に思えていたのに)

今思い返してみると、ソフィアは常に何かに追われているみたいだったなあ


【541-550】

ラミアなら先週の金曜に焼け死んだとさ!

息の下にも告げむとぞ思ふ

今すぐに私の眼球を抉り出して頂戴(そうでなければ、また追いかけてしまうから)

愚鈍な好色男がタンゴを踊る

六連星を金平糖にしてみましたら、予想以上に美味で御座いました

突き刺さる棘に私が奪われてゆく(そして棘は私を糧に、どんどん鋭く伸びるのだ)

女郎花を素手で掴む痴れ物狂い

髪を撫でて、鎖骨にベーゼを

眠ってしまう愛しい世界に一つだけ望む事(夢を見て欲しい、最上級の倖せな夢を)

賽の河原で思いがけず返り討ちに遭った大鬼



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