デートに行きませんか2
「…椿、椿!」
ゆさゆさと体を揺さぶられ、強引に夢から覚まさせられた椿。
目を開けると、思った通りの端正な顔が見返していた。眉を思いっきりひそめ、ぽつりと少女は呟いた。
「…今日は何なの」
すると聞いてくれましたとばかりに顔を輝かせる幸村。もうあんたは何歳児ですか。
「椿、でぇとに行こう!」
「何このデジャヴ」
昨日と違うところといったら、名前の後ろに殿がついていないとこくらいではないか、と椿は小さく溜め息をついた。
「何でもかんでもデートっていったら良いと思ってるでしょ、ほんと」
「いや今回はまことにでぇとだ!椿、某と一緒に買い物に行こう!」
「買い物お?」
嘘でしょと口をぽかんと開けると、屈託なく微笑み返された。
「今晩のおかずを買ってきてくれと母さんに頼まれたのだ!」
デートに行きませんか2「ただのパシリでしょ、それ」