過去篇 | ナノ


▼ 01
1/2


ふと思えば、過去にトリップして二年以上は経っていた。始めはカカシや火影様に助けて貰っていたが、今ではそつなくこなせるようになっていた。おかげで総隊長にもなったしな。そしてそろそろ始めるんじゃないかと思い始めていた。運命を大きく変える出来事が。
俺の正体を知っているのは火影様とカカシと陽炎―――うちはイタチ。イタチの場合は不可抗力だったが、それでも彼は約束してくれるだろうと思っていたから教えたのだ。それに俺の隊に入れと言っていたからダンゾウからは何も言えれない、と思っている。実際、俺はここ半年程地道にダンゾウとうちはマダラについてのことを調べ上げていた。

「証拠があるのか!?」

と聞かれたら、

「ほれ、これが証拠」

といつでも出せれるようにしている。それでイタチは哀しい運命から解放されるなら、と思っていたからの行動だ。だから、この出来事はあってはならない事だ。

「……ん?」

そんな事を思っていると、ふと上空を旋回している忍鳥の姿が。暗部専用の伝令用の忍鳥だった。つまり火影様が俺に火影邸へ来いと言ってるのだ

「…また何か厄介事か?」

頭をポリポリ掻きながら、俺は小さく溜息を零して一瞬でその場から消えた

コンコン

「誰じゃ」
「暗殺武術特殊部隊総隊長・黒影です」
「入れ」

入室許可をもらい、俺はゆっくりと扉を開ける。そこには静かに佇んでいる火影様の姿が。
何事だ…?

「火影様、如何なさいましたか?」
「……緊急事態が起きた」
「………」

何故だろうか。嫌な予感がした。

「…何があったのですか?」
「………」

火影様はゆっくりと彼自身信じてないようなそんな声色で俺に言ってくださった

「暗部第一分隊所属隊員・陽炎―――うちはイタチが昨夜、うちは一族を壊滅及び生き残った弟・うちはサスケを残し―――里を、抜けたそうじゃ」

いっきに俺の中で何かが崩れ落ちた

「……それ、は…本当です、か…?」
「…事実じゃ。現にあやつは抜け忍となり、暗部が追跡しておる」
「……」

本当にお前は俺に面倒ごとを与えるよな

「すみませんでした」
「…何故お主が謝るのじゃ」
「今回の件は俺のミスでもあります。陽炎は俺の部隊に移動したのにも関わらず俺の管理下のミスです」

すみませんでした。と俺はもう一度言って深々と頭を下げた。こんなにも頭を下げたことは今までなかった。けど、今回は本当に俺のミスだ。全ての出来事を知っているというのにそれをみすみす逃すとはなんたる失態だ。
未来の俺が馬鹿にしているぞ

「頭を上げんか、黒影」
「………」

火影様に言われるが、それでも俺は上げない。これは俺なりのけじめだ。二度とこんなことをさせるわけにもいけない。
総隊長の名において
そう思っていると、火影様は溜息を零して「イタチがの、」と話し始めたのだ

「…お主が謝る行為をしたなら自分で行った判断だからしないで下さい、と言っておったわ」
「!」

その言葉に俺はバッと頭を上げた。ようやく自分の目を合わせたことに嬉しかったのかどうか分からないが、三代目はにこりと笑って言った

「イタチの任務はダンゾウによるものじゃ。それはお主は知っておるか?」
「初耳です。ダンゾウが不審な動きをしているというのは噂で聞いていましたが…」
「となると、ダンゾウは独断でイタチに任務をさせたのじゃな…」
「………」

“原作”で知っていたはいた。それに、三代目だけがダンゾウの考えに反対していて、イタチを心配していたことにも。だからこそもっとダンゾウとマダラが憎いと思ってしまったのもあった

「イタチはサスケを殺さなかった、と言っていましたよね?」
「そうじゃ。今は木の葉病院で入院してお、」

ドダダダダダ……  ガチャッ!!!

「三代目っ!!」
「五月蝿いぞ」
「うぐっ!!」

火影様の言葉を遮って火影室に入ってきたのは俺の補佐をする副隊長・凍夜だった。あまりにもチャクラをただ漏れにして入ってきたから思わず俺はアッパーを繰り出した。そのまま凍夜は地面に平伏した

「騒がしいぞ、凍夜。暗部ならもっと静かに行動しろと言っているだろーが」
「す、すみませ…」

ったく、と小さくぼやいて溜息を零す。そんな俺と凍夜の温度差に火影様は苦笑していた。が、すぐに真剣な顔つきになって凍夜に声をかけた

「して、わしに何の用じゃ?凍夜」
「は、はい…」

痛みを堪えて、凍夜は火影様に言った

「うちはが…!」
「うちはが…?それならさっき…」
「うちはサスケが病室から抜け出しました!!」

その言葉を聞いた瞬間――――――

「!!黒影ッ!!」
「総隊長!!?」

火影邸を後にしていた

「サスケっ!!!」

勢い良く開けた扉。その中には誰も存在していなかった

「はぁ、はぁ…」
「お客様!?院内では静かに…、」
「此処の餓鬼は何処にいった!?」
「え…?」

俺を叱りに来た看護士を逆に俺は問い詰める。サスケが居ない。もぬけの殻だった。
色々な意味で危険だ。

「此処に運ばれた餓鬼だ!!うちはサスケという餓鬼だ!!」
「そ、その患者でしたら先ほど出ていかれ…」
「くそっ!!」

看護士の言葉を途中で終わらせて、俺は玄関へとむけて走る。その際、また「お客様!院内では走らないで下さい!!」と叱られた。窓から出てないんだからそれくらい勘弁してよ。そう思ったが、それどころではない

「サスケ……!!」

今ならまだ間に合うから、行くな…
復讐の道に進むな……!!!

prev / next

[ back to top / bookmark ]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -