波の国篇 | ナノ


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「全員伏せろ!!」

突然のカカシ先生の合図。
大方、この話の第一関門が現れたんだろうな。
そんなことを考えつつ、近くにいたサクラの腕を引いて伏せる。ナルトはカカシ先生に、サスケはタズナさんに伏せられる。
とあるところから殺気がにじみ出て、それが一気に現れる。禍々しさと内側から覆うような闇が一気にくるような、そんな感じだった。

「へー、こりゃこりゃ。霧隠れの抜け忍、桃地再不斬君じゃないですか」
「!!バカッ、ナルト!!」

迂闊だった。ここじゃ、ナルトがサスケに対抗しようと再不斬のもとに行こうとするんだった・・・。思わず声をあげるが、俺の声と同時にカカシ先生が手でナルトを止める。
ま、当たり前だろうな。ナルトが再不斬に勝つなんざまだまだ先になるだろうよ。

「邪魔だ。下がってろ、お前達。こいつはさっきの奴らとはケタが違う」
「・・・・・・」

再不斬も俺達のほうに目を向け、特にカカシ先生の方を見ていた。上半身裸で、まぁまぁ可笑しな格好をしていること。
なぁーんて、こんな時に冗談を言っていいほど生易しいものじゃなかった。

「写輪眼のはたけカカシと見受けする・・・。・・・・・・悪いが、じじいを渡してもらおうか」

再不斬の言葉から、腑に落ちぬ言葉。俺達の反応は、それぞれ違っていた。

(写輪眼、血継限界のか・・・)
(・・・え?シャリンガン・・・?な、なんだ、それ?)
「?」
(写輪眼!?)

サスケは、うちは一族と関連があるのかと察する。サクラとナルトは、何なのか分からず只疑問を持つだけ。俺はといえば、平然とした顔で二人の様子を見ているだけ。

「卍の陣だ。タズナさんを守れ・・・。お前達は戦いに加わるな。それが、ここでのチームワークだ」

いい事言うねぇ・・・、全く。というか、俺達じゃ全く歯が立たないものな。逆に死人が出るだろうな、俺は置いといて。

「再不斬、まずは・・・・・・」

ゆっくりと、いつも左眼を隠している額当てをゆっくりと、二度も言うが外す。髪型も斜めっているおかげで、額当てを真っ直ぐにすると違和感がありまくりだな・・・。
で、結論から言えば。知っているかもしれないが、片目だけ瞳に勾玉のような形のある・・・。

「オレと戦え」

写輪眼が現れた。
…少しだけ、殺気が漏れる。ナルトは、写輪眼を見てか、それとも殺気を感じてなのか・・・まあ前者だとは思うが、肩をびつくかせ、冷や汗を掻いた。
サスケも、意味は違うけれど冷や汗を掻いていた。サクラも、初めての写輪眼・・・といかカカシ先生の左眼を見ての興奮気味なのか知れない汗が出ていた。
しかし・・・・・・

「ほー、うわさに聞く写輪眼を早速見れるとは・・・光栄だね」
「・・・・・・」

全く相手は動じていなかった。
なんかつまらないな・・・。俺たちはそれぞれいろいろと顔に出しているけど・・・。
相手なんか、眉一つも動かさなくてつまらん。というか、眉毛なかったんだ。すまないな、マユなし。

「写輪眼・・・」

ナルトは痺れを切らしたのか、カカシ先生に聞こうとするが、ナルトはアウト・オブ・眼中のご様子。
呆れつつなのか分からぬまま、サスケがカカシ先生の代わりにナルトに"写輪眼"のことを話す。
・・・・・・長いから、パース♪

「"千以上の術をコピーした男・・・コピー忍者のカカシ」

お、そんな肩書きを持っていたな先生は。

「それと、よくあの“黒影(コクエイ)”と組んでたもんな」
(黒影?)

何だ、その“黒影”って…。誰かの名前か?そんな名前、聞いたことがないぞ。
俺の知らないものが、また増えた。

「そうだったな、俺は昔黒影さんと組まれてたからネ」
「その方割れの“千以上の術をコピーした男”と殺り合えるってのは、光栄だね」

千以上とか・・・某庭球王子の伊達眼鏡くんか!!?天才なのか、君は!?うぉ、なんかいまさら興奮してきた!!!

「・・・カケル、」
「あー?」
「君も、下がっていてね?」
「・・・・・・ッチ」
「舌打ちしなーいの」
「キモーいの」

必殺・おうむ返し、じゃないか。まあ、これでオレのほうにはもう気にならないな。まぁ、ナルト達には気にかけると思うがな。

「さてと・・・・・・お話はこんぐらいにしとこーぜ。オレはそこのじじいさっさと殺んなくちゃならねェ」
「!!」

タズナさんに向けて、再不斬は殺気を出す。すかさず、俺たちはクナイを持って卍の陣になる。俺だけは、タズナさんの背中を守っているから、カカシ先生たちは見えない。
だからこそ、警戒心がいるんだ。

「つっても・・・カカシ!お前を倒さなきゃ、ならねェーようだな」

そう言った瞬間、再不斬は一瞬で大木から離れ、水面の上に立った。かなりのチャクラを練っているのが分かる。・・・つまり、殺気も大量に出てくるということ。思わず、俺は身震いする。
久しぶりに、死合が見れる・・・・・・!!
俺の中にいる獣がざわめく。それを隠すかのように、舌なめずりをした。ナルト達から俺が見えなくて幸いだ。

「忍法・・・霧隠れの術」

見事に姿を消した再不斬。俺達には緊張の糸が張り巡らされる。
気配も殺気も感じれないくらいの、驚きの巧さに俺は思わず感嘆の声をあげそうになる。

「・・・・・・」

それを思い切り我慢して、神経を集中させる。微量ながらも、チャクラを長時間使えば少しは漏れる。あとは、術発動とかな。
だから……

「8ヶ所・・・」
「!!?」
「!!え?なっ・・・何なの!?」

サクラの驚きの声は、直ぐに返された。

「咽頭・脊柱・肺・肝臓・頚静脈に鎖骨下動脈、腎臓・心臓・・・。さて、どの急所がいい?クク・・・」
「「「「!!」」」」
「・・・・・・」

俺以外の皆は、再不斬の言葉に冷や汗を掻く。やはり、相手が相手だから、恐ろしいのだろう。
というか、殺気を浴びまくりで、気が逝っちまいそうだ。
そして、

「・・・・・・・・・!!」

カカシ先生からも、多大な殺気がにじみ出てきた。

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