下忍篇 | ナノ


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此処は、忍者学校の屋上。俺達下忍は段差のあるところに座っていて、少し離れている所には俺達の上忍担当が柵にすがって立っていた
俺らに就いた上忍は漫画と同じ通りの畑のカカシ…じゃなかった、はたけカカシだった。

「そうだな…、まずは自己紹介してもらおう」
「…どんなこと言えばいいの?」

確かに…、面倒くさいな〜…

「…そりゃぁ好きなもの、嫌いなもの…、将来の夢とか趣味とか…。ま!そんなのだ」

ってかアンタが先に言ってくれよ…。9割以上の変態変人のはたけカカシさんよォ…
ってそう言おうとしたが…

「あのさ!あのさ!それより先に先生、自分のこと紹介してくれよ!」

ナルトめ…、先に言いやがって…

「そうね、見た目ちょっとあやしいし」
「春野、見た目だけじゃねぇよ…。ありゃ、れっきとした変態変人だ。しかも9割方以上のな」
「カケルさ…、俺の扱い酷くない?」
「んなことないですよ?はたけ先生?」

ニッコリと笑って答えたら、はたけはコホン、と咳払いした

「オレははたけカカシって名前だ。好き嫌いをお前らに教える気はない!将来の夢…って言われてもなぁ…ま!趣味は色々だ……」
「「「「……」」」」

…行き成り空気が静かになった

「ねぇ…結局分かったの……名前だけじゃない?」

おっしゃる通り。

「流石だな、変態変人なだけある…」
「カケル…、酷いってばよ流石に……」
「じゃ、次はお前らだ。右から順に……」

ナルトからか…。まぁ、俺は最後だな…

「オレさ!オレさ!名前はうずまきナルト!好きなものはカップラーメン。もっと好きなのものはイルカ先生におごってもらった一楽のラーメン!!嫌いなものはお湯を入れてからの3分間」
((こいつ、ラーメンの事ばっかだなぁ…))

今初めてはたけとシンクロした
え、イヤだ

「将来の夢はァ…火影を超す!!ンでもって、里の奴ら全員に俺の存在を認めさせてやるんだ!!」
「「!!!」」

ナルトの奴、ホントに成長したな……
小さく、俺は自嘲気味に笑った

「趣味は……イタズラかな」

それは、変わらないねぇ…。俺は小さく笑いながらナルトの自己紹介を聞いた
すると、はたけは次の奴を指名した
うちはサスケを

「……」
「名はうちはサスケ。嫌いなものはたくさんあるが好きなものは別にない。それから…夢なんて言葉で終わらす気はないが、野望はある!」

その時、うちははちらりと俺を見て言ったことに俺は気付かなかった

「一族の復興とある男を必ず……越える事だ」

…ンん!?
ちょっと待て。今うちはは何て言った?ある男を必ず超える事?ちょっと待て待て待て待て
原作どーなってんの?
俺は顔に出さないように、冷や汗を垂らしながらうちはを見た。うちはの瞳には、憎悪や憎しみが何故か映っていなかった

「(これが、時雨さんが言ってた“キャラのセリフが違うって事なのか…?)」
「………」

俺の視線に気がついたのか、うちはは俺のほうを見た。すかさず俺は視線が交じ合わないように視線を逸らした
そんな俺を、はたけ先生が見ているとは知らずに

「……(あの方によって、復讐の気持ちが無くなったんだな…)……じゃ、次女の子」

はたけ先生が何を考えていたのか分からなかったが、大方うちはサスケについて考えているんだろうな
そう思いながら、俺は春野の自己紹介に耳を傾ける。春野はキャーキャー言うからウッセンだよな…

「嫌いなものは、ナルトです!」
「!!…どんまい、ナルト」

やばい…、今のはとても危なかったぞ…。思わず殺気を出しそうになった。ナルトをバカにした春野に、思わず殺気が出てしまった

「……ッチ」

俺の欠点は、感情的になりやすい事だな
一人悪態をつけていると、俺の方に視線をむけるはたけが

「……じゃ、最後。カケルくん」
「カケルだってばよ!!」
「おー…」

面倒くせぇって呟いたらナルトに殴られた。殴られた所を摩りながら、俺はナルトを睨みつけた

「テメエ、何すんだ・・・」
「カケルがシカマルみてぇに言うからだってばよ」
「それが理由で叩くのか、お前は!」

畜生、後で覚えときやがれよ……。…兎に角、俺の“今”思っていることを言いましょうか…

「えーっと、…まぁ俺の名前は蒼天カケル。好き嫌いはない。あー、けど目の前にいる人は嫌い分類にはいるな……」
「ひどいよ、それは流石に…(何故だろう、カケルがあの人に見える……)」

いいじゃないか。そこまで変わりねぇだろ

「で、…趣味かぁ…。そうだなァ…寝ることと、修行と、手品とか変装とかかなぁ…」
「何で疑問形だってばよ?」
「…さぁ?」

なんか今日はやる気っつーか、覇気がまとえねぇや…。そのままぼけーっとしていると、ナルトが俺にジト目で見てきた
そして一言

「つーかカケル。お前、修行してただろ?」
「ん?何のことナリ?」
「!」
「……ナリ?」
「(……まさか)」

俺の言葉に不思議になったのか、春野たちが目を丸くして俺を見てきた。そんな彼等を無視して、ナルトは話を進めてきた

「あぁ!!!ぜってぇやってたてばよ!!」
「まぁまぁ。そう睨みなさんなって」
「はぐらすんじゃねぇってばよ」
「……」
「無言は肯定の意味だってばよ?」
「……はい」
(((あのカケルが負けた!??)))

おいおい、負けてねぇよ。こんなの只の戯れだ、バーカ

「…で、将来の夢なぁ…」
「将来の夢は…?」

俺の言葉をナルトは待つ。ナルトを横目で見つつ、オレは言葉を繋いだ

「“今”を気長に生きる事だ。人間、何時死ぬか分からないからな…」
「!」
「……」

以上っス、とはたけ先生に言おうとしたら、うちはと先生のチャクラの微量な揺れに違和感を感じた
何、俺のセリフが何か悪いのか…?

「(あの人と、同じ台詞…。それだけじゃない。容姿も、趣味だって一緒だ…)」
「…そう(苗字も名前も同じ…。偶然なのか…?)」

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