ぼくとキスとあいしてると、/デイライト→瀬莉
腐向けではないつもりです
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カタカタ、無機的。そんなのつまんないよ。ねえ、瀬莉。
瀬莉はかれこれ1時間はノートパソコンの画面だけを覗いている。ねえ、瀬莉。
そんなのつまんないでしょ。(本当につまんないのは、そう、オレなんだけど)
オレはこんなに近くにいるんだよ、さっきから喋ってるんだ、瀬莉だけに向けて、ね。ねえ、でも瀬莉はそれを簡単に「ひとりごと」に変えてしまうんだ。
「瀬莉、今日ね、トラックに泥かけられちゃってさ、」
「おい、」
やっと返ってきた噛み合わないお返事、嬉しいよ。
「後にしてくれ」
うれしい、よ。
「うん、ごめん」
瀬莉は知ってる?すきだったら、なにをされてもいやじゃないんだってさ。
だからそっけなくされたって、ぐーでなぐられたって、くびをしめられたってへいき。
オレが瀬莉をすきだから。オレがおとうさんもおかあさんもすきだから。だから。だから、
「瀬莉、知ってる?」
「……」
「キスはどんな時にするのか」
「……」
「オレは知ってるよ。いってらっしゃい。いってきます。おかえり。ただいま。おはよう。」
「……!」
「おやすみ。」
ああオレ、は、どうして瀬莉を床に倒してしまっているのだろう。でも、だいじょうぶ、いたくしないよ。
ああオレの両手は、瀬莉の吸い込む酸素を少なくして、ああでも。だいじょうぶ、いたくなんて、しないよ。
「…っ、は」
「それから、それからね。あいしてるよって、ねえ。キスをして、ねえ」
(おとうさんもおかあさんも、そうしてくれた。だからぼくも、ここできみにキスをするの)
「瀬莉、いや?」
「……」
いつもの様に怒鳴らないのはどうしてなの?オレが、ぼくが、きらいじゃないの?
(ぼくは分かってたんだけど、首を絞めているからだって。)(ううん、違う。オレはあいされてるんだ。ああでも返ってくる言葉はきっと1つ、こわい。聞きたくない。だからだからだから!!!!)
「このままなにも言わないで、おねがい」
「あいしてほしいなんて、言わないから」
(ほんとうはあいしてほしいくせに!!!!)
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20111109編集