私はいたって普通の人間であって学生時代の同級生のような変わり者ではない。
普通の高校にはいって普通に卒業して普通にフリーターでバイトして生活してた。
今日だってバイトが終わっていつも通り帰宅しようと家にむかってまっすぐ帰ってきてドアをあけただけだ、何も悪いことしてない。
なのに私の目の前に広がる風景はどうだ、いつもとまったく違う、何が違うって私が生活してた部屋は私の部屋で私以外の誰の部屋でもないというのに私の荷物が、集めた家具が何もないじゃないか。どういうことだ。
大家さんの間違いなのか?間違いなら私の家具や生活用品は何処に行ったのだ、頭で理解しようと考えていると

「やあ、ナマエ何してるの?ああ、家具がなくなったんだね。何処にあるか知ってるよ。」

のんきな聞き覚えのある声がしてきた、この声を聞いてわからない訳がない、学生時代ずっと恋い慕ってきた相手の声だ。

『臨也・・。あんたが何かしたんだね。』
「別に悪いことに使ったわけじゃないよ、ナマエの家具や生活用品は俺の家に全部ある、1つも欠けることなく。」
『は?』
「ナマエいつの間に頭悪くなったの?まあ、前も俺よりはよくなかったけど。ナマエの家具は俺の家にある、ってことはだ。君は今日から僕と一緒に暮らすんだよ」

普通に聞いたら好きな相手に言われて喜ばない言葉ではない、普通ならね。
でも今は状況が普通じゃない、家帰ってきたら自分のものがなくなっていて、俺の家にあるから一緒に住もう、ってあほか。

『意味わからない』
「別に悪い話じゃないと思うんだけどな、それに俺の家にある家具を今からこっちに戻すほうが大変だろう?ほら、なら俺と一緒に住むのが得策じゃない」
『なんで私が臨也と一緒に暮らさなきゃいけないわけ』
「それは俺の家で話すよ、ついておいで。」

そういって彼は私の手をつかんで歩いていく、これは"ついていく"とは言わないと思いつつも私の心は高ぶっていく。
好きな相手に手をつかまれたらそれが一方的であってもときめかない人はいないと思うんだ。


彼の家につくと私の家具が1つの部屋にまとまってた、余裕を残して。私の部屋では窮屈そうだったというのに。
彼は私を椅子に座らせると紅茶を出してくれた、臨也ってこんなにやさしかったっけ?

『理由教えてよ』
「そんなに知りたい?」
『知りたい』
「君は俺に対して特別な感情を抱いてる」
『勘違い』
「何年の付き合いだと思ってるの?俺は気づいてたよ、ずっと前から。そして俺だってナマエに対して特別な感情を抱いてる、人間への愛とは違ってナマエへの愛。ああ、友愛とかじゃないからね。君がシズちゃんとしゃべってても苛々するしバイト先の男と喋ってるだけでも苛々する。俺は自分の感情の波を荒立たせられるのは好きじゃない、楽しさとかならいいんだよ、でもそうじゃなくて喜怒哀楽の怒愛の感情がでてくるのは嫌なんだ。まずそんなことできる人間いなかったしね、でも君はそれができる人間なんだ、意味がわかる?俺は君に対して恋愛感情を抱いてる。だから一緒に暮らしたい、やり方はひどかったかもしれないけどでもそれくらいナマエのことを思ってるってことなんだ、それが理由じゃダメかな?」
『うぇ・・っ!?・・つっこみどころが多すぎるよ』
「簡単に言えばナマエが好きで、一緒に暮らしたい。」
『・・・最初からそういってよ。』
「で、ナマエの答えは?」
『選択肢なんて無い癖に。』
「よくわかってるね、頭のいいこは好きだよ。」


いきなり家具がなくなっていきなり腕ひっぱられて一方的に告白されてそれにいきなり同棲なんて理不尽すぎるけど
それでも長年抱いてきた感情が受け入れられ、臨也と共に生活できるだけで私の心は満たされていった


理不尽な恋の始まり


(臨也のこと・・好きだよ)(不意打ちはずるいよね)




御題借りました、ありがとうございました
ヨルグのために
 
 
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