いつもの日常
雪がちらつく中、私は傘も差さずに待っている。
先程不知火が私を心配してくれるけど、そんなこともお構いなしにただひたすら門に立ってる
手はもう赤くなっていて唇はきっと紫色だろう、一応暖かい格好をしてきたが冬の寒さには厳しい
「名前もう部屋はいれよ」
『まだよ、千景が帰ってくるまでは待ってるの』
「でも何時になるかわからないんだぜ?」
『それでもいいの、匡は中入ってていいよ』
「お前が風邪ひいたら千景が八つ当たりしてくるだろ」
『そっか、ごめんね。でも待つから。』
匡には申し訳ないけど待ちたいの、千景の帰ってくる姿見たいから。
だって寒い中出かけたんだもん、不安じゃん。千景にかぎって怪我はしてこないと思うけど。
もうすぐ帰ってきてもいいころなのに帰ってこないと不安になる。
目を凝らして雪の中道の先を見つめる・・と金色の髪をした見慣れた人の姿。
『ほら、帰ってきた。』
「風間遅えんだよ。」
どんどんと近づいてきて気づけば私の前、私の頬に手を当てる。冷たい
「なにをしている。」
『千景の帰りを待ってたの』
「風邪をひくぞ、おい不知火、お前は何をしていたんだ」
「俺は中に入れって言ったんだよ!!」
『匡は悪くないんだよ、私が我侭言ったの。千景手冷えてるよ、暖まろう?』
「それは名前も一緒だ、お前の頬も冷えてる。中に入るぞ」
『はい。匡も天霧さんも入りましょう、匡ありがとう』
「別に礼言われるようなことしてねーよ」
そう言って匡はニカっと笑い、千景はそれを鼻で笑う。天霧さんは無言でそのやり取りを見る
いつもと変わらない日常でよかった、千景が怪我をしてなくてよかった
いつもの日常
(俺が怪我など)(するわけがないだろう)