慶長5年 9月15日
※ゲームBASARA3最終ステージ関ヶ原




全国各地にて有名武将が石田三成率いる西軍、徳川家康率いる東軍と同盟をかわし、日ノ本が東と西に別れたとき
私の属する武田軍総大将、武田信玄ことお館様は病に伏せられ、武田軍の現在総大将は若き虎、真田幸村様であるが、この幸村様最近夢を見るという。


「今日もまた夢を見た、同じ水底の夢。だが今日は違っていた。」

真田様はお館様が倒れてからというもの、同じ夢を何度も見るという。いつもいつも水底の夢、水底から這いあがれない夢、そして声が聞こえるのだと。

『違っていたとは…』
「前は暗い水底の夢、明かりも見えぬただ暗闇であったのが、今日は明かりが見えていた。」
『…今日の夜にはその夢も明けますよ。…佐助や上杉殿の言うとおりであれば』

そうだ、今日は天下分け目といっても過言では無い。東軍と西軍が戦うのだ、天下統一を夢見て石田三成率いる西軍と徳川家康率いる東軍が。

「そうだといいでござるが。だがしかし某はこの武田軍を率いて三成殿の力になれるのだろうか、徳川殿を倒すことができるのだろうか不安でござる。」
『・・その不安こそがその夢の原因かもしれませぬ。真田様は大きくなられました、お館様が倒れてからがむしゃらに頑張ってきました。今日はその結果が出る日でもあるのではないでしょうか。』
「ナマエも関ヶ原に出陣するのでござるか?」
『佐助も真田様も行くのに私が行かないなんて事できません。それに私は真田様に支えているのですから。』
「某が大将で後悔してないか?命を落とすかもしれぬぞ」

「2人共しゃべってるのはいいけどさ、もう東軍のほうはやる気みたいよー。早くしてよね、俺様さすがに2人も面倒見切れないよ。」

真田様の問に答えるより先に佐助の声がした、一歩踏み出せば命を落とす状況だというのに何を喋っていたのだろうか

「ナマエ、もしもこの戦が終わり平和な世が来たらまた昔のようにお館様と某と佐助とナマエと4人で団子を食おう。」
『・・では、命を落とさぬよう健闘しますね。』

そう言い真田様を見つめると真田様はふわりと私の頭に手をやる、戦場だというのにどうしたのか。

「ナマエ約束でござるぞ!」

そう言い私の頭を優しく撫でるといつもの真田様のように佐助の名を呼びながら走り去って行った

「俺様妬いちゃうよー。旦那もこういうときだけちゃっかりなんだから。」

佐助の声が聞こえたと思えばすぐに消え、真田様の後ろ姿も無い。私も戦場にいかねば。


慶長5年 9月15日


また4人で笑いあいたいから、撫でられた感覚だけは忘れないようにしよう。
 
 
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