休日で平日
今日初めて臨也と池袋に行く。
普段から化粧はしてるけど、今日はいつもよりももっともっと気合をいれて普段つけないつけまつげなんてして、白のふわふわのいかにも女の子っぽい服を着て、髪も軽く巻いてみた。私なりに一生懸命のおしゃれで、普段のパンツスタイルの私からは想像できないくらい頑張って化けた。
あまり可愛いとかきれいとか褒めてくれない臨也でも今日くらいは可愛いって言ってくれると思ってた。でもそんな簡単に私の望んでいる言葉を言ってくれるほど彼はやさしくなかったみたいだ。

「名前なにその格好」
『え。・・・変?』
「変じゃないけど変、なんていうの君らしくないっていうか狙っているというか、まあ女の子ってそういう生き物なのかもしれないけど、君はそういうタイプでは無いと思ってた俺としては色々な意味で期待を裏切られたよね。」
『どういうこと?』
「君は狙って男がわざわざ好む格好なんてしずに、普段の自分の好きな服装しかしなくてちゃんと自分を持ってて周りの流行とかウケとかそういうのは気にしないタイプだと思ってたけど、でも実際今のナマエの格好はそういうのを鵜呑みにしているような格好なわけでさ。俺の期待してたナマエとは違ったよね。」

わかってた、臨也がこういう人だってことくらい。ずっと前から。
でも初めて一緒に池袋に行けるんだから、こんな日だけでもやさしく言ってくれる・・・とか思った私が馬鹿だった。臨也に何期待してるんだろ、馬鹿馬鹿しい。

『・・・ごめんね。たまには可愛い格好してみたかったん・・だ。でも臨也がこういう格好嫌いならもうしないから・・』
「誰も嫌いだなんて言ってないよ、名前っぽくはないけど。でも俺はそんな名前もたまにはいいと思うよ。あ、別に名前が泣きそうな顔してるからこうやって言ってるわけじゃなくて本心からちゃんと言ってるからね、俺の本心なんてそんなめったに聞けないことだから、ちゃんと聞いておいてね。どんなナマエでも好きだよ。だからナマエの行きたがってたところに行こう。久しぶりに俺の時間があいてるんだ、今は。いつ仕事が入るかもわからないからね、だから」

ほらって言って差し出してきた臨也の手はごつごつした細くてきれいな手で、思ったより暖かかった。

何分、何時間一緒にいれるかわからない、臨也の携帯がなったらそこでデートは終わりだから、それまでの少しの時間だけでも手から伝わる臨也の体温を、感じていよう。
 
 
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