年始早々
※ SSL


大晦日…といっても今年はあと3分程でおわる、俺は家でカウントダウンのTVを見ていた。
総司からメールで「一緒に年越さない?1人よりはいいでしょ」なんて届いていたが、大晦日なんて何処も人が多くて外出なんてする気にならなかった。
ただでさえ人混みが嫌いなのにわざわざ自ら出向くなんて考えつかん。

そういえば外が先程から騒がしい…が俺が住んでるのは住宅街にあるアパートで、年越しで元気になってる奴等が騒いでるのだろう近隣の迷惑を考え

『は―じ―めぇええ!!!!!!』

て欲しいのだが聞き覚えのある声が聞こえた、まさか。

「ナマエうるせぇぞ!」
「土方先生?うるさいですよ」
「総司てめぇ!」

聞き間違いでは無いようだ、間違っていてほしかった。
仕方なく窓を開けてみると見知った顔が。
平助にナマエに総司、土方先生や左之先生や新八先生なんかも。

『はじめ!!おりてこいいい』

ナマエがうるさい、近所迷惑だ。寒いのは嫌だが近所迷惑は困る。とりあえず身近にあった白のマフラーと黒のコートを羽織降りていく。除夜の鐘の音が響いており、白く吐き出された空気は冬のすんだ空気に溶け込む。
凍っているかもしれない階段を慎重に降りる、そういえば誰かと年末を共にするのは初めてかもしれない


「ナマエ近隣への迷惑を少しは考えろ、こんな時間にあのような声を」
『はじめ誕生日おめでとう!!!』




話している最中にナマエは叫び出す、皆もナマエに続き「おめでとう」と言う、時計に目をやると0時を迎えていた。

「それを言うために居たのか」
「ナマエが『斎藤を祝う会!今すぐ集合』てメールよこすから皆集まったんだぜ」
「しんぱっつぁんなんて焦って出てきたから靴下右左違うんだぜ」
「平助お前先生をつけろ!!」
「あっ、はじめくん明けましておめでとう」
『明けましておめでとう』


明けましておめでとうより先に誕生日を祝われたのも、誰かに直接祝われた事も初めてだった俺は、マフラーに顔をうずめ

「あぁ、明けましておめでとう。ありがとう」


顔が赤いのを悟られないように感謝の言葉を伝えることが精一杯だった。

年始早々

赤面するなんて誰が考えただろうか


2011.0101
 
 
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