*来神設定
 
 
 
『ねーねー、クマのぬいぐるみとかどう?これ超可愛いんだけど』
「お前が欲しいだけじゃないのか?」
「いやぁ、でも案外こういうの好きかも知れないよ。シズちゃんってば妙な所で子供っぽいしさー」
「僕は別に構わないけど、それ渡す時は俺の居ない所でやってね」
 
とある雑貨屋で、制服に身を包んだ四人組が様々な商品を手にとってはあれやこれやと話している。
 
「つーか、静雄の誕生日プレゼントを探すのに雑貨屋に来てる時点で何か可笑しいだろ…」
『仕方ないじゃん、静雄って今一どういう物が好きか分んないし。こういう時に限って自称情報屋は役に立たないしさー』
「シズちゃんの弱点とかならまだしも、趣味とか好きなものなんて知りたくもないからね」
「とか言いながらこうして買い出しには付き合うんだね」
「君等の選んだセンスの欠片も無いプレゼントをシズちゃんがどういう顔して受け取るのか、楽しみだなぁ」
『もー、臨也ホント使えない。さっさと帰れ』
「シズちゃんの情報は無いけど、君のはあるよ。明日学校中に恥かしい秘密を広めてあげようか」
『ゴメンナサイ』
「…こういうマグカップとかで良いんじゃないか?アイツ、しょっちゅう壊してそうだし」
「そう言えば先日私の家に来た時、うっかり臨也の名前を出した途端手にしたコップを握り潰してたよ」
「迷惑だよねー、人の家の物壊すとかさぁ」
『主にアンタのせいじゃん…でもさー、自分の家でも同じ事してるかな?帰ってまでわざわざ臨也の事思い出さなくない?』
「短気なシズちゃんの事だから、別に俺以外の理由でだって切れるのなんか珍しくないだろ」
「ならもうこれで決まりだな、さっさと買って出るぞ」
「僕もそろそろ周囲の視線とかに耐えられなくなって来たよ、これはもう意識過剰って訳じゃなさそうだし」
「四人からのプレゼントがマグカップ一つって、何とも安上がりだね」
『あ、じゃあ私、それに手作りのプリンいれてくる!』
「マグカップでプリンとか出来んのか?」
『出来るよー、ケーキ屋さんとかにも可愛いカップに入った奴売ってるじゃん』
「今時は粉を牛乳で溶いて固めるだけでも出来るやつがあるしね」
『ちょお、それどういう意味。ちゃんと卵から作るし!』
「何でも良いから、早く出ようって。会計は済ませて来たし、店の人に迷惑だから」
「そうだな」
「迷惑かけてたのは大体が君のせいだよね」
『百歩譲っても半分はアンタのせい』
 
数日後。
 
『静雄ー!誕生日おめでとうっ!』
「お……お、おう」
『はいこれ、プレゼント!皆で選んだマグカップに私の手作りプリンを入れてみました!』
「…食えるのか?これ」
「俺に聞かれてもな…」
「もしも腹痛を起こした時は個人的なプレゼントとして薬を贈るよ」
「そっか」
『ちょっと!本人の目の前で失礼過ぎる!』
「大丈夫だよ、妙な物は入って無いみたいだから。味も普通だしね」
「は?お前、臨也に毒味でもさせたのか?」
『え?いやいや、させてないよ。何で味とか知ってんの』
「やだなぁ、その辺は企業秘密だよ」
『いやあぁぁ不法侵入されてるうぅぅ!帰ったらすぐ家の鍵換えなきゃ…ッ!』
「腹痛よりももっと深刻な事が起こるかもね。彼女が何も入れて無くても、臨也が入れてる可能性は十分あり得るから」
「……悪ぃ、ちょっとこれ持っててくんねーか」
「あぁ。……よく割らずに堪えたな」
『!、ヤバいヤバいヤバい!ちょ、臨也離れて!私の半径50m以内に存在しないで!』
「教室が同じなのに、それは無理があるよね。っていうか存在しないでって何?」
「いぃ〜ざぁ〜やぁ〜!!!」
『あ、終わった』
 
 

110219
title by DOGOD69
遅くなったけどシズちゃんハピバ!!
 
 
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