「だーッ!!!」
 
ガッシャン!と派手な音を立てて名前は立ち上がると、自分の前に座る土方に向かってビシィッと指を突き付けた。
 
「てっめぇ土方ァ!今すぐアタシの前から消え失せろ!朝から胸糞悪ィモン見せやがってッ!!」
「うるっせぇな。朝飯くらい黙って食えねぇのかテメェは」
 
土方はにゅるにゅると絞り出していたマヨネーズを止めもせずに答える。今日の膳はご飯に味噌汁、それに焼き魚とお新香であった。が、土方の前に並べられたそれらは、見る影もなくマヨネーズの山に埋もれていた。名前はわなわなと震え出し、こめかみに青筋が浮かんでいる。土方の隣に座っていた山崎が逸早く危険を察して、名前を止めに入った。
 
「名前さん、落ち着いて…!いつもの事じゃないですか!」
「いつもいつもこうだから許せねェっつってんだよ!」
 
噛み付かんばかりの勢いに押され、山崎は青褪めながら自分の席に戻るしかなかった。キッと土方に向き直ると、名前はそのまま続ける。
 
「大体なァ!飯にマヨネーズっつぅ組み合わせはどう考えてもあり得ねぇだろ!」
「文句なら食ってみてから言え」
「誰が食うかッ!見てるだけで吐き気がするっつーのに!」
 
ぐいっと差し出された椀を払うように手を薙いで、名前は言った。その横で涼しい顔をしながら食事を進めていた沖田が、ぽつりと言う。
 
「俺から見りゃァ、名前の飯も十分あり得ねーんですがねィ」
 
山崎は、ちらりと名前の前の膳を見て、さらに青褪めた顔を慌てて逸らした。今日の膳はご飯に味噌汁、それに焼き魚とお新香だ。が、名前の前に並べられたそれらは、見る影もなくケチャップの海に溺れていた。
 
「なんでだよ!飯にケチャップは欠かせねぇだろ!」
「どこの常識ですかィ。ケチャップ星?ケチャップ星か?」
「素敵!そんな星があったらあたし、移住してその星の姫になるわ!ケチャップリンセスに!」
「アホが居るぜィ、近藤さん」
「はっはっは!名前は朝から元気が良いなァ!!」
「名前さん、素が出てますよ…」
「ハッ!しまった!!」
「マヨ…マヨプリンス…マヨラキング…」
(…対抗しようとしてるのかなぁ、この人…)
 
 

081001
 
 
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