*高杉がヤンデレ



俺は俺の担任の坂田銀八が好きだ。
これは俺の本当の気持ちであり、そしてまた銀八も俺の事を俺と同じように見てくれていた。
だが俺達はキスもセックスもましてや付き合う事すらしていなかった。
俺達は世間体でいう『両想い』にも関わらず、だ。
まぁそれも当たり前で俺が付き合おうとしていないから付き合う訳がない。
好きなはずなのに、俺も銀八も。
それなのに俺はそこらへんの女と付き合ってセックスまでした。
そしてその事を当然のように銀八は知っていた。
俺が銀八を好きか知っているかは知らないが、俺が女と付き合っている事を銀八が知っている事は俺は知っていた。



そして銀八は当然のように嫉妬した。
女に。俺に触れるもの全てに。

そして俺に独自欲に似た視線を向けた。


それが俺は嬉しくて心地よくて堪らなかった。
銀八の思考が、体が、俺でいっぱいになるのが心地よかった。
だから銀八とは付き合わなかった。
他の女と付き合った。
だが男とは付き合わなかった。俺の最初は銀八がよかったからだ。
銀八の独自欲が俺にぶつけられる時の快楽より気持ちいい事なんてありそうに無いと思ったからだ。

俺は銀八が好きだ。
それはもうとてもとても好きという言葉では表されないほどに。
俺の愛は歪んでる、前、昔の女が言った言葉。

俺はいつも特定の女とは付き合っていない。
一ヶ月もすれば直ぐ別れを持ち出す。
だがその女はしつこかった。
だから俺の想いを話してやった。

『俺は銀八以外に興味はねぇ。』

『俺は銀八が俺をもっともっと欲してくれればそれで良い。』

『だからお前なんてどうでも良いんだよ。』



『さっさと居なくなれ。』



女はそれを聞いてさっきの俺の言葉を言って泣きながらどこかへ行った。
『歪んでる』そう言って。

俺は自分の部屋で銀八の移った写真を見ながら言った。

「好きだ。」

「好きだよ、銀八。」

歪んでる。そんな事銀八を好きになった時にもう知ってる。

「だけど、んな事関係ねぇよ。俺は・・・」

「俺も銀八も愛し合っているんだから。」

俺は笑った。




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