ヤり終えたあとと言うのはとてもだるくてしょうがない。もう特に下半身と喉の辺りが悲鳴をあげて動くという行為を拒絶する。

しかし、そんな風に頭と身体が動くことを拒絶してもタチではなくネコである俺はゴムもつけない馬鹿のおかげで風呂に入ると言う行為をしなければならない。まぁ、ゴム云々の前に俺と馬鹿の精液が身体中に引っ付いているのでどのみち風呂には必ず入らなければならないが・・・、それにしてもやはり中に吐き出された相手の精液を掻き出す行為より引っ付いている物を洗い流す方が楽だ。というか精神的に楽だ。ジャージャーと流れるシャワーの水の音を聞きながら頭の中で悪態を付く。

つまり何が言いたいのかと言うと自分は後処理をするのは御免だと言うことだ。直球だと嫌だ、だるい。
しかし、しないと後悔するのは俺だ。

「んな、睨むなよ。洗ってやったろ」

「お前の誕プレ、絶対大量のゴムをプレゼントしてやる、銀時」

「そしたらその分ヤるよ?いいの?」

俺は銀時を無言で睨み付ける。本当にこいつは性欲の塊かよ、くたばれ。

ヤった後は銀時に洗わせる。それは俺と銀時が一緒に寝たときからの恒例行事だ。いや、ただ単に俺が面倒だから洗わせてるだけだが、彼方もさほど嫌がってはいない(つかノリノリだ)ので男二人が風呂に一緒に入っている光景はもう俺からしてみれば日常の光景だ。

「てか何でお前ん家入浴剤無いんだよ。置いとけ貧乏」

「はぁぁ!?貧乏?お前入浴剤が風呂にあるかないかで貧乏かどうか決めんのかよ!」

「実際貧乏」

そう言って銀時を指差すと銀時は声を張り上げて「そうですけど何か!?」と開き直った。つくづく馬鹿な男である。

「お前金無いからゴム買わねぇとか言ったらはったおすからな」

「・・・いや、俺もさすがにそんなこと言わねぇよ」

銀時は椅子から立ち上がって風呂の中に入ってくる。一応言っておくが銀時は貧乏なので広い風呂を自宅に持っている訳がない。精々中坊のガキが足を延ばせる程度の広さだ。(ちなみにこれは余談だが俺の家の風呂は大人二人とか余裕)銀時が入った瞬間溜まっていたお湯がザバーとこぼれ落ちて排水口に流れていく。身体は密着して、簡単に言えば狭い。

「貧乏だろ?もったいねー」

「もう上がるから良いの」

銀時はそう言いながら俺の肩に手を回してくる。そしてこれでもかなり密着しているというのにもっとと言うくらい身体を寄せてくる。額を俺の頭に引っ付けて目を閉じている。俺はそれに反抗する気力もなく好きなようにさせた。

「高杉」

「あ?」

「好き」

「・・・・・・あっそう」

そんな素っ気ない返事をしながらも俺は銀時が目を閉じている事に少しだけ安堵した。





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