死ねた




8月15日12時過ぎ


俺と松風は公園に散歩に来ていた。特に何もすることはなく、たわいもない話をしながら歩いていると、松風が猫と呟いた。
すると猫は逃げ出してしまった。猫が好きな松風は追いかけて走り出した。
その先には、信号。赤に変わった瞬間だった。




周りから悲鳴が聞こえるとともに、俺の意識も途絶える。




目をさまして時計をみると8月14日午前12時をさしていた。

「あれ……?」

さっきは15日の昼だって、松風が猫を追いかけて車にはねられて……

「夢、だったのか…」




今日も松風と夢で見た公園にまた来ていた。夢ではもうそろそろ猫が出てきて松風が追いかけて事故にあってしまう。
何だか嫌な予感がしたので俺達は家で話すことにした。

「剣城、今日変だよ?」
「……大丈夫だ」

夢で松風が事故にあった大通りとは逆の方向に向かって歩いていく。
すると、大きな音をたてて血飛沫が上がった。
隣を見ると、松風に鉄柱が突き刺さって、また記憶が途切れてしまった。



あれから何十年、毎日毎日15日に松風が死ぬ。
やっと俺は気付いた。

「俺が死ねばこれはもう終わるんじゃないか…」




今日はトラックにはねられそうになった松風を押しのけ、俺がトラックに突っ込む。
これで終わったはずだ。
下を見ると、松風が信じられないって顔でこっちを見ている。
俺は地面に落ちる瞬間にバカみたいに綺麗な空にざまあみろと呟いた。
これでやっと終わるんだ。








俺が目覚めたのはやっぱり14日の午前12時過ぎ。
隣で寝ているサスケに抱きつきながら

「またダメだったよ…」

と呟いた。

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