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父の謀略により一家崩落と思われたが、彼を追放した後に一番上の兄が継ぐという形によって、何とか道の草を食う生活を免れた。

かくいう私はというと、研のアルバイト先である"あんていく"という喫茶店にたまにお邪魔するようになった。


今までは街にある喫茶店なんて足を踏み入れた事もなかったけれども、人と人が気軽に触れ合うこのこじんまりとした空間も悪くないなと思った。


「はい、なまえ。口に合うと良いんだけど…」


今日もスイーツを注文する。彼の作った甘いものはとても美味しいのだ。焼き菓子の類は、作り手の個性が色濃く出るというが、研の作るお菓子はどれも優しい味をしている。


「食べさせて頂戴っていつも言っているじゃない」

「そうだったね、ごめん。はい、口開けて」


ふと目の前の彼と目が合い、急になんだか恥ずかしくなる。すいっと目を逸らすと「あっ」と短く呟いて、顔が近付いて来る。そしてそのままぺろりと口の端を舐めた。


「…うん。やっぱり美味しくはないな」


唇を舌でぺろりと舐めた仕草が心臓に悪いのと恥ずかしいので、わっとテーブルに突っ伏す。

今日もほのぼのと幸せな日が続いている。



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