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un,due,toir


今日も彼女の為に花を数える。この間は季節の花を贈ったから、今度は全て違う色の花束にしたらどうだろうか。アルストロメリアを手に取って束に加える。

あれからなまえの様々な面を見たが、分かった事は無邪気に見えて意外と色々考えているということ。それと人とは少しずれたポイントが抜けているということ。まあ、後者は前から薄々感付いていたところはあったが。


quatre,cinq,six


カランと頭上でベルが鳴る。カウンター席に座り、談笑に花を咲かせていたであろうなまえがぱっとこちらを見る。

「月山さん!」

駆け寄る距離もない店内で慌てたように胸に飛び込んでくる体を抱き留めた。
そう長い間離れていた訳でもないのに、まるで数か月ぶりに会ったかのようにぎゅうっと腰に回される腕が愛おしい。


「見せつけてくれるねえ、月山くん」

「…本当ね」

「嗚呼これは失礼」


未だ胸元に顔をうずめているなまえを少しだけそっと離し、その柔らかい頬に口付け、花束を抱えさせる。

「美味しそうな匂いだねえ」

すんすんと鼻を近付け、花々の香りを堪能するも感想が少し可笑しい。何時だってムードというものにあまり縁がなくて、それなのにこちらは何故か胸が高鳴る。


sept,huit,neuf,dix


月山さん好きです。幾度も言われてきた気がするこの言葉も、彼女が口にするだけで指先がほんわりと温かくなる。


「月山さん、」

この笑顔を見る度、自分の気持ちにきちんと気付けて良かったとただひたすらに思う。

「今日は何をしましょうか?」

"一緒に"という意味が込められたこの言葉を、僕は深く呑み込んだ。



as long as
(一週間あんていく禁止令を出しても?)(ええっなんで?)(君が楽しそうにするからさ)


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