万物を凝結 万物を凝結させる、冷気は何とも美しい、 其れは全てを停滞させる、しかし、 退廃的でありながら、全てを魅せるヒカリを放つ、 全てのモノは凝結し、融解し、そして、霧散する、 氷、無機物、さらには人ですら、 なら、人は結晶のように美しいのか? 空気を侵食し、屈曲した光で人の心をも清冽に浄化する 結晶の皇帝よ、 並進的対象を創り上げ、 原子すらも統一する、 それは、個体特性すらも超越した、原初の美しさ、 氷結とは儚き現象、しかしそれを『儚い』とする定義は一体どこにある? 高温に弱い?外気に触れると融解する? それもまた、然りだ、だからこそ美しい、 だが、儚さ以外にこの現象を美しいとする最高の定義、 それは、命を奪うと言うことだ、 『統一する』ということは、 乱れが有ってはならないと言う事、 これ以上ない乱れを見せる命は 彼女にとって粛清の対象、 結晶の定義に従わぬモノに、 夢幻の停滞を与えるだろう、 彼女は霜秋を従えし雪月花の皇女、 格子欠陥による命の塑性変化すら許さない零度の紫水晶、 それは、アモルファスなど認めない、一部の隙もない美しさ。 (102/126) |