断片的大罪 危険な罪の話は、何故尽きないのか? それは、罪か罪を連鎖させるからだ、 なら、何故連鎖する? 多くの肉親を殺した毒の王、 劣勢の中、怒りに身を委ね命を狩る将軍、 命すら自在に手に入れようとした皇帝、 これらは未だ有名な罪の象徴、 人の根底にある起源の大罪、 ここから、始まった人類の物語、 それは狂おしいほど美しい、 芸術のような物語。 罪の物語とは、何故受け継がれるのだろうか、 それは人間の根幹を震わせる何かが有るからだ、 たが何故、皆それを模倣する? 愛に溺れ、沈んでいった傾国の皇女、 ありとあらゆる生物を喰らわせ合う彼、 自ら生存する気力すらない少年達、 これら大罪さえも芸術家は題材する、 原初の大罪すら人を狂わすほど、 美しい作品を構成し創造する、 かの者達は競い合う、 互いに、正負様々な感情をもって、 明確な終わりの無いそれぞれの境地へ 飽く事も無く、嘆く事も無く、 禁忌など気にも止めず、 生きる限り創造を止める事は無い、 なぜなら、彼らの起源は嫉妬と忍耐なのだから。 (104/126) |