硝子の箱で生ける人形


私には心がない
ないとされてきました
私は誰かの声によって
何かを形にさせられるのです

いつも「私」になる貴女は
私になりたいのですか?
いつも「私」が見てる貴女は
とても楽しそうで…

羨ましくて 一緒に駆けて行きたいのに
私は硝子越しに眺めてるだけ
寂しいわ 嗚呼 寂しいわ



私に心が有ると知ったのは
蝉がもう鳴いている頃でした
尽きぬ命が無いのなら
私はどうなるのかしら?

うらやましくて 一緒に笑いたいのに
熱い炎を硝子越しに眺めてる
悲しくて 嗚呼 悲しくて





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