今の授業が午前最後。



挨拶が済めば皆はお弁当を出したり、売店に走ったり――




名前もまた机の上を整理していた。




その時
「名前ちゃん、ご飯食べよ！」



女子二人がお弁当を持ってやってきた。

かごめちゃんと珊瑚ちゃんだ。


この二人とは仲がよくてお昼の時間を共にしている。





だけど今日は……

『ごめんっ！ちょっと用事あって…先食べてて？』




二人にそう告げると鞄を持ってそそくさと教室を出る。


そしてそのまま躊躇いもせず最上階まで階段を上っていった。





学校の最上階、屋上。





喧嘩して青春を語り合う場所。

――なわけがない。




立入禁止区域。

これが現実。悲しいことに…。






しかし名前はその禁止区域を隔てる扉の取っ手に手を掛け回す。



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