*話数紹介


[奇術師]
ここはオタク国家日本だ。ひょっとしたらマニアックな外人が、深夜だし人が少ないから良いんじゃね?とか言い訳かましてコスプレしてるって線もなくはないんじゃないかと言い聞かせる。

[爬虫類]
爬虫類の足元。つまり道端には散乱する洋服が複数落ちていた。それも、色からして女性物。
おいおいおい。コスプレするにしたって明らかに演出が過ぎている。
ガチか。ガチなのか。


[大蛇]
この道だけは通りたくない。葉っぱの国だけではなく数カ国に及ぶ国際的指名手配犯な訳なのだから、遭遇した瞬間口止めもとい殺処分だろうしだわでもう行き場がない。

あれ、詰んだ?


[ホリック]
帰り道の三方向において、いっこうに消える気配のない危険人物達は、その場で電話を始めるわ、丸くはなるわ脱皮してたりと動く気配がまるでない。

[異次元フープ]
扉を開けた先には、見慣れた弟の部屋が存在しなかった。
天井の高さから奥行き雰囲気に至るまで、何もかもが自身が知っている弟の部屋とは区別がない。
何より廃墟のような室内には、見覚えのある数名の顔が並んでいた。
そこに一人こちらに気がついた奴がいた。
「……おや」


[麦わら帽子]
理科室の扉を開け様、顔面に何かがヒットして、驚きの余り女子にはあるまじき声をあげてしまう。
慌てて顔を塞いだ物を外したが、 奇妙な事に、それは理科室から飛んで来たにはあまりにも不可思議なものだった。
「麦わら、帽子?」


[航海士]
入れ墨シールと言うものが一時期流行っていたなと思い出し、本物と結論付けるにはまだ早いよなと自己完結させる。
現実世界には“コスプレ”なる魔法のワードが存在するのだ。


[ぐるぐる眉毛]
見られてる。完全に値踏みをされている。
「…まぁ、サンジ君ならいざってなっても大丈夫でしょ」
別の問題はありそうだけど…と彼女は黒いスーツ姿の男に人差し指を突きだした。


[路地裏]
鼻を押さえつつ顔を上げた先、ぶつかった相手を認識して、春は今日何度目になるかも知れない絶叫を上げそうになった。
「ん〜…、あれ、キミは確か…」

[夕闇の交差点]
身長や体格は等身大を知る訳もないので当人との違いは区別できない。出来たとしても基準にはならないだろう。仮にも相手はフィクションの世界の住人だ。

[どうしてこうなった]
不可解な世界からの脱出。考えられたのは“帰れる”と言う事実だけで、帰ることに固執するあまり、近道だからと横着したのが間違いだった。

[Not Reality]
“コスプレ”と断言している割りには小心者な考えだろう。だが、もし、万が一。むしろ億単位で億に一つでも“本物”の可能性があったならば、油断すべきではないだろう。

[ワルツ]
男達もそこそこ強いのだろうが、見ていて思うのは一方的な虐殺現場だった。トランプ一枚で三人の男を翻弄する様はまさしく奇術師の名に相応しい。
既に頭の中では、それらをコスプレだと定義できる要素が欠片も残されてはいなかった。

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