「けえったぞー。」


道端で寝ていたおねーさんを背負ったまま、暗い万事屋に入る。

神楽は新八の所に泊まりに行ってっから静かだった。


『スー...』

「ぐっすりかよ。それにしてもイイ身体してるね、おねーさん。」


体型は背負った時に確認済み。

細えのに出るとこはちゃんと出てる。


「...ってイカンイカン。ダメだろ銀さん。」


頭を振って疚しい考えを飛ばし、自分の布団に寝かせた。


「俺はソファで寝るか。」


立ち上がろうとしたその時、

ギュッ


「ん?」


袖を掴まれた。


「おねーさん、起きてんの?」

『スー...』

「...寝てるか。」


そっと手を解こうとしたが、外れない。

どんな握力だ。


「仕方ねーな。」


着替えることも出来ねーから着物のまま布団に入った。


《ワン》

「あ? どうした定春。」


定春はいきなりドスドスと寝室に入って来ると俺とは反対側に寝そべった。

コイツに寄り添うように。


「定春、せめーんだけど。」

《グウ...》

「ったく... とんだ拾いモノだな。」


退ける気はねーようだ。

仕方ねーから俺はソイツをそっと抱き締めて眠りについた。




拾いモノ

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白銀の侍と純白の犬に挟まれた緋色の兎。

白と緋が闇夜にぽっかりと浮かんでいた。

今日は十四夜。




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