コンコン

「ん?」


ガラスを小突く音に振り返ると、黒い鳥が窓をつついていた。中に入りたいのかと問うと肯定を示すように鳴く。利口な鳥だ。窓を開けてやると腕に飛び乗ってきた。


「人懐っこいな、お前。」

「何がだ。」

「あ、兵長!」

「そいつ…」

「そこの窓に居たんです。この鳥、言葉が分かるみたいで。」

「ちょっと貸せ。」

「え?あ、はい。」


リヴァイの腕に渡ってもその鳥は大人しかった。リヴァイは核心と共に鳥の足を持ち上げる。そこには筒状のものが。蓋を開けて中を覗くと、紙が1枚。


「…壁に行くぞ。」

「壁?」

「いいからさっさと用意しろガキ。」

「はっ、はい!」


慌てて装備を取りに行ったエレンの背中を見送り、握った手の平を開く。

"もうすぐ帰る"


「…遅えんだよ。」




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