コンコン


入室の許可を得るために雲雀がノックをするなんて貴重な光景だろう。彼がそうするのは此処が桜の病室だからだ。


「桜?」


返事が無い。まさかと思い、扉を開けると案の定。ベッドはもぬけの殻で、全開の窓から入る風がカーテンを揺らしていた。


「…本当に大人しくしててくれない子だね。」


僕よりよっぽど浮き雲だよ。

そう独り言ちた雲は、すぐさま虹の後を追いかけた。


 * * *


「んじゃ、僕からやらせてもらうよ。ジャンケンで勝ったんだ♪」

「貴様らがどんなつもりだろうと俺は全員を1度に相手にする。そのつもりで気を抜かぬことだ。」

「ふうん。そんな余裕はすぐになくしてあげるよ。」

「どうだろうな。」


白蘭の白龍から戦闘が始まる。直後、イェーガーは短距離瞬間移動(ショートワープ)で白龍の首を切り落とすと、宣言通り他の相手に狙いを定めた。


「チッ!」

「XANXUS!!」


ザシュ グサッ


XANXUSの左腕が切り落とされ、スクアーロの左胸が貫かれる。次いで、白蘭の胴を貫いたイェーガーはXANXUSの両脚も切り裂いた。


「ボス!!」

「白蘭!!」


スクアーロ、XANXUS、白蘭が倒れる。このままでは全滅する。見かねたリボーンとヴェルデが呪解しようとした、その時。


『プレゼントプリーズ。』


燃え上がった虹色の炎から姿を現したのは、成長した桜だった。



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