「虹未来桜は人柱として類い希な性質を持っていた。生まれながらに虹の炎を宿していた彼女は、1人でアルコバレーノ7人分の役割を担える可能性を秘めていたんだ。それに目を付けたチェッカーフェイスは虹の力を彼女に与え、虹の神…つまり至高の人柱にしようとした。」

「でも!桜はアスランから虹の力を受け取ったって…」

「チェッカーフェイスがそう仕向けたに決まってる。アスランは奴が仕向けた見張り役だろうね。」

「そんな…」

「虹の力はすぐに使いこなせるようになる代物じゃない。虹未来桜が虹の神として覚醒するまで、アルコバレーノの犠牲の連鎖は終わらないんだよ。」

「なら何故お前は桜を狙いやがる。桜が覚醒すればその連鎖は終わるんだゾ。」

「仮に虹未来桜が虹の欠片を取り込み、虹の力を取り戻したとしても今までの蓄積分は全て白紙になる。また時間を掛けて覚醒に向かっていくんだ。十年後の世界で消滅した彼女が復活した時、虹の力がリセットされていただろ?」

「…」

「虹の神覚醒まで犠牲は増え続ける。ならば虹未来桜を餌にチェッカーフェイスを引きずり出す方が手っ取り早い。彼女を嬲(なぶ)って苦しめて、見かねた奴が姿を現した時が僕らの復讐が果たされる瞬間だ。」

「アイツの暗殺が目的か。」

「そうだよ。奴が優勝者の呪いを解くなんて大ウソさ。チェッカーフェイスは虹未来桜以外を優勝させるつもりは無いからね。彼女から奪い取った白いボスウォッチはどんな攻撃を加えられても壊れる気配が全く無かったよ。」

「…とんだ茶番だったってわけか。」

「リボーン君、キミが僕の仲間になって協力してくれるなら、虹未来桜の命だけは助けてあげてもいいよ。」

「卑怯だぞ!バミューダ!」

「卑怯で結構。さあ、どうする?リボーン君。」

「駄目だ!リボーン!コイツの言いなりになっちゃ!!」

「言いなりとは人聞きが悪いね。非の打ち所がない等価交換じゃないか。」

「桜の命は助けてくれんのか?」

「リボーン!」

「約束するよ。無傷で、というのは保障できないけどね。」


ズガンッ


「んじゃ、交渉決裂だ。桜は俺達が守る。」



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