ボオォォ


「この炎はお前に苦しめられ、引き裂かれたボンゴレとシモン、そして桜の誓いの炎だ!」


大空、大地、虹が1つになった炎は優しく強い意志を持った炎。ずっとこの時を待っていたかのように火の粉が喜んで笑っている。

ツナの砕かれた骨は大地の炎でコーティングされ、大空の属性「調和」がそれを受け入れる。そして虹が大空と大地を繋ぐ。ジョットとコザァートの炎がデイモンを焼き尽くした。


「ぐ…ヌゥ、おのれ…」

「立て、D。お前を倒すのは俺と炎真の炎だ!」

「こうなれば見せてやるぞ!」

『っ…』


ビリビリと空気が揺れる。炎圧の異様な上昇がデイモンの最後の賭けを予感させた。


『何処に、行くつもりですか…?』

「桜?」

『スペードさんが牢獄から此処へ来た時と同じ炎を感じる。今度は何処に…』

「ヌフフ、流石に鋭いですね。安心なさい、桜。またすぐに迎えに来ますよ。」

「逃げるつもりか、D。」

「私は逃避を恥じてなどない。」


己の肉体への執着も、とうの昔に捨てたと言う。他人の肉体に憑依することを繰り返すことで時代を超え、長い年月に渡ってボンゴレを監視し続けてきた、術士としての禁忌を犯したデイモン。


「全ては桜を守るボンゴレを最強であり続けさせるため。」

『スペードさん…』

「私は進化する。次に会う時は今の何倍も強くなっているだろう。その時がお前達の最期だ。首を洗って待つがいい。」


第8の属性の炎を出し、逃避を謀るデイモン。いざ逃げようという時、その動きを封じたのは大地の属性「重力」。そのまま焼かれることを覚悟したデイモンだが、炎の拳は下ろされた。


「やめよう。」

「!」

「これ以上お前を殴ったって失くしたものは元には戻らない…大人しく捕まって罪を償ってもらう。」

『ツナ…』


シュウゥゥ


「…私を引き止めたことを後悔しなさい。」


もう切り札を温存する理由は無い、とデイモンは腹をくくった。第8の属性の炎が消え、逃避するためのエネルギーを肉体に回す。


コアァァァ


「加減はしないぞ。」

「調子に乗るな。」

「いくぞ!!」

「死ね!!」

『ツナ!スペードさん!』


ガキッ



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