本気の本気で放たれた炎は島の半分を吹き飛ばした。その威力に、幻覚世界の獄寺達は言葉を失い、リボーン達は瓦礫に埋もれ、ツナは気力・体力共に使い切った。


「桜!炎真!」

『ん…私は何とか…』

「ゴフッ!ゲホッ!」

「2人とも!良かった…」


全員の無事を確認し、胸を撫で下ろした。動けないツナに炎真が手を差し出す。


「肩貸すよ、ツナ君。」

「あ、ごめん!」

『…?』


急に湧いた違和感に眉を潜めると同時に、切羽詰まった声が上がった。


「ツナ君!そいつは僕じゃない!!」

「!」


ベキッ


『ツナ!』

「ぐっ…う…」

「危なかった…実に危ない所でした…」

『う、嘘…』

「あと少しで取り返しのつかない所だった。」


D・スペードは生きていた。かなり疲弊しているが、まだ力を感じる。


『スペードさんっ…』

「桜、お前は大人しくしていて下さい。」

『っあ!』

「桜!」


デイモンは鎖で桜を拘束し、動きを封じると、苦しむツナに歩み寄る。


「許しませんよ、沢田綱吉。」

「う…」

「砕けろ!」

『やめっ…』


ベキャキャキャ


響く不快な音は骨が砕けるもので。全身の骨が粉々にされ、ツナが壊れてゆく。

トドメと言わんばかりに、デイモンが鎌を振り上げる。


「終わらせよう。」

『やめてー!!』


ピカァァ


桜の叫びに呼応するように、炎真のリングと彼の懐の小さな袋が光を放つ。それらはツナのリングに引き寄せられ、1つになった。



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