『また、此処に来るなんて...』


アスランと出会った幻想世界。そこはまるで平和を体現化したような場所。


『そっか、私...』


死んだんだ。


さらさらと穏やかに流れる小川に映る自分の顔。


『っ...』


泣いていた。


『覚悟..決めた筈だったのに...こんなに後悔してるっ...』


2回も家族を失った私は誰かを失うことに恐怖していた。凄く怖かった。誰かが居なくなるくらいなら自分が犠牲になる。私1人の命で多くの命が助かるなら喜んでこの命を捧げよう、と。


でもそれは間違いだった。


『残された者は、凄く辛い...』


それはよく分かっていたことなのに。私は逃げてしまった。


ただの自己満足。


それに本当は、


『生きたかった...』


《漸く言えたな。》


『!』


《本当の心の声を。》


振り向いた視線の先には、豊かな金色の鬣(たてがみ)を風に遊ばせているアスランが居た。





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