「ボンゴレを創ったT世という男は優れたリーダーではあったが欲に欠けていた。しかし、マフィア界においては強欲と力こそが絶対的正義。愛する桜を守るためには完全無欠の巨大なボンゴレを創ることが必要だった。」 「桜を…?」 「強いボンゴレのために必要なものは私が全て用意し、ボンゴレ弱体化への恐れのあるものは私が全て潰してきました。例え、T世の親友でも。」 「ま、まさかシモン=コザァートを罠にハメたのって!」 「あの男は桜を大地の花などと呼び、あまつさえ証まで渡した。本当に目障りでしたよ。」 「貴様が初代シモンを…!」 全てはボンゴレのためと言う男、デイモンの掌の上で踊らされていたシモンファミリー。大切な者達を奪われた怒りと悔しさからアーデルハイトは初めて涙を見せた。 「見苦しい涙だ。所詮まだ青い子供にすぎない。」 「許さねえ!」 「!」 ドスッ デイモンの腹を貫通したのは水野薫の鋭い左腕だった。血を吐くデイモンだが、それはまやかしで、砂漠の能力によって薫の体が貫かれた。 強敵を前に、雲雀が得物を構えるが、クロームの霧のカーテンによって阻まれ、ツナ達の動きは封じられた。 薫は再び斬りつけられ、トドメを刺されそうになった、その時、 ガキィッ 「すまねえ、ツナ。出遅れちまった。」 ボンゴレ雨の守護者、山本武が刃を受け止めていた。 Back |