不意にアリスが踵を返したから慌てて引き止めた。 「っ何処に行く!」 『この村も潮時だ。次の場所を探す。』 「なら私も!」 『駄目だ。』 「何故だ!」 『死期を早めたいのか?あたしと居ると死ぬぞ。』 「盗賊くらい私だって、」 『違う。あたしに殺される、ということだ。』 「なに…?」 『あたしはもう昔とは違う。自分のためなら殺すことを躊躇わない。それが同胞であってもな。』 「っ!」 『生きるために何人もの命をこの手で奪ってきた。四六時中狙われ続けてるせいで、近寄って来た人間を反射的に殺すようになった。気付いた時には周りに死体しかない。』 「・・・」 『それに、』 アリスは足元の死体をちらりと一瞥した。 『コイツらが口を滑らせてた。情報源は蜘蛛だ、と。』 「!」 『相手は幻影旅団だ。』 |