※進撃、リヴァエレ・(エルエレ)、現パロ


「リヴァイさんは、オムライスにケチャップで何て描いてから食べますか?」

できたてほやほやのエレン特製オムライスをいざ食べようとケチャップを片手に持っていたら、急にエレンから話を振られた。 俺は1分だけ考えてから、オムライスにケチャップを付けた。特に何も考えずにごく普通にありきたりなやつを描いた。それを見てエレンはため息をついた。

「つまらないなぁ…。」

「…何がだ。」

「何でもありませんよ。」

不貞腐れたようにエレンはキッチンに行き、洗い物を片付けていた。 エレンが何を言いたかったのか俺にはわからない。どうせくだらないことだろうと思い、ケチャップのことは忘れることにした。今は目の前にあるオムライスを食べることに集中しよう。ああ、美味いな。



数日後、たまたまファミレスで食事を摂ることになった俺は、同僚のエルヴィンと共に同じ席に座った。 俺は和食な気分だったから豚カツ定食にしたら、エルヴィンはオムライスを選んだ。似合わねぇ構図だなと思いながら午後からの予定を確認していたら、エルヴィンが携帯の待ち受け画面を見ながらニヤニヤして いた。

「何だ、気持ち悪いな。おっさんがニヤニヤしてんじゃねぇよ。」

「まだおっさんじゃないよ!」

何を見てるのか知らないが、画面を見せびらかしたいようだ。俺は興味ないと断ったが、エルヴィンは一度こうなると結構しつこいヤツだ。 後々面倒になるのはわかりきってるから、渋々興味を示すフリをしたらエルヴィンは嬉しそうに且つ焦らしやがる。何だこのクソ野郎。いい歳して大人げねぇことしてんじゃねぇぞ、その携帯ぶっ壊してやろうか?俺がキレそうなのに気付いたのか、そそくさと画面を見せてきた。エルヴィンがニヤニヤしながら見てるもんだから、エロ画像かと思ったら予想外のものだった。

「は?何だこれ。」

「見てわからないか?オムライスだよ。」

「うるせぇ、そんなことわかってんだよ。さっきからオムライスを見ながら盛ってたのか、エルヴィン。」

「はぁ!?リヴァイ、君は私がこんな昼間っからオムライスを見て盛っている男に見えるのか?」

「見えなくもないと思っているが?」

俺の返答にエルヴィンがガクッと項垂れた。現にさっきからオムライス画像を見ながらニヤニヤしてやがったじゃねぇか。あの顔はコンビニでエロ本を立ち読みするが、周りを気にしつつニヤニヤを隠せないような状態だった。だから俺は盛っていると思ったんだが…。 どうやら違ったらしい。そもそもオムライスで盛るってどういう性癖してやがる。さすがの俺でもドン引きだ。

「これ、エレン君にお願いしてケチャップで描いてくれたんだ。」

「は?エレンが…?」

もう一度、画像を見たらオムライスにはケチャップで何か描かれている。よく目を凝らしながら見てみると、そこには歪な文字が見えてきた。

「いいだろう、リヴァイ!エレン君からハートを貰ったよ。」

「はっ、随分歪なハートだな。嫌われてんじゃねぇのか、エルヴィン。」

「えっ!」

嫌われてることはないと思うが、何かムカついたから言ってみたらエルヴィンがさっきよりも深く項垂れた。しかも何やらブツブツ呟いている。正直、うぜぇ。再び画像を見てみたら、オムライスはエレンが作った訳ではないらしい。俺が食べるいつものエレンのとは見た目が全く違うからな。ただ、何故エレンがエルヴィンと一緒にいるんだろうか。それにエルヴィンがドヤ顔でエレンのハートと言いきる自信から見れば事実だとわかる。どういう経緯でハートなんて描いたんだか。あー…イライラする。



午後からの仕事は全く捗らなかった。あのオムライスが頭に引っ掛かっているせいだ、イライラする。エルヴィンが項垂れている間にオムライス画像は勝手に消してやったが、やはりイライラは止まらない。少し休憩しようと思い、席を外そうとしたら携帯が鳴った。今、俺をイラつかせている中心人物からメールが来たようだ。内容は今日の晩ごはんについてだ。特に食べたいものが思い付かなかったが、ふとオムライスを頭の中で浮かんだ。“お前の愛が籠ったオムライスが食いたい”とメールを返信した。きっと今頃真っ赤になっているだろうな。

定時に帰ると、ちょうどエレンがオムライスを作っていた。

「お、おかえり…なさい。リヴァイさん。」

「あぁ、ただいま。」

案の定、エレンは真っ赤になっていた。メールを返信してからだいぶ時間は経っているはずなのに、まだ顔が赤い。きっと作っている間に何か考えていたのだろう。本当に俺の嫁、可愛いすぎる。

「ちゃんと愛を込めろよ、エレン。」

「なっ、何言ってるんですか!」

さっきよりもますます赤くなった。からかってるのに気付かないのか、エレンは素直に俺の言葉を受け取るからつい苛めたくなる。苛めすぎると次の日、口を聞いてくれなくなるからやり過ぎは禁物だ。だから今日はこの辺にしておこうと思う。

「晩ごはん出来ましたよ、リヴァイさん。」

「あぁ。」

テーブルを片付けて、置かれたオムライスを見ると相変わらず美味しそうな仕上がりだった。唯一変わったことはケチャップにハートが描かれていたことだ。

「おい、エレン…これ。」

「お、俺の愛がいっぱい込めましたから、残さないでくださいね!」

もう、結婚するしかないと俺は思う。




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