苦労人から祓ってみた「ふう...」 「おーい、ジャッカル。大丈夫かよぃ。」 「最近調子悪いぜよ。」 丸井に大丈夫だと返事をするが、仁王の言葉通り、最近の俺は調子が悪い。普通なら全力疾走でも1ゲームは余裕だが、今は半分の時間も持たねえ。 「無理は禁物だよ。今日は早目に上がってゆっくり休むようにして。」 「幸村の言う通りだ。体は替えが利くものでは無い。」 「幸村、真田...すまねえ。」 部長、副部長に促されるまま、俺は早目に帰路についた。 * * * 「だけどおかしいよな。少し前までは何とも無かった筈なのに...」 不健康な生活をした覚えは無く、思い当たる節は全くない。それ故、解決策が分からない。 「風邪でも無いしな...どうすりゃいいんだ?」 あれこれと思考を巡らしながら歩いていると、前方から見慣れない制服の女子が。 「(何処の中学だ?あんな制服、初めて見るぜ。)」 髪で顔は見えねえ。背は俺と30pは差がありそうだ。 『...その子、祓っときますよー。』 「え、」 擦れ違い際、肩をポンと叩かれたと思うと何かから解放された感じがした。 「体が軽くなった...っておい!」 一気に無くなったけだるさを不思議に思いながらも、その女子を引き留めようと手を伸ばす。 「速っ!」 予想外の速さで走り去った女子。手は空を切っただけだった。 「一体...何が起こったんだ?」 ----------------------------- 『駄目っすよ。取り憑いた人の生気を吸い過ぎちゃ。』 《ニャー》 『動物霊は優しい人間を好むんすよねー。』 |