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抱きついてきた水咽の首筋に顔を埋めた。吸い取るように呼吸をすれば甘い匂い。ああ、この匂いがおれの思考を鈍らせる。そしてきっと向こうでヘラッとこちらを獣の目で見ている木舌も鈍っている。舐めてみればきっと甘い。そう思ってしまえば舌が出て首を舐める。かすかに汗の味。けれど、ピリッと身を奮わせる匂い。味。
クスクスと水咽が笑っていた。お酒の匂い。

「くすぐったいよ」

そう言いながら更に抱きしめる腕に力を入れてくる。ああ。あああ。甘い。
クラクラしてしまう。気持ちがいいんだ水咽。


開けっ放しの扉をそっと閉めた。

廊下の明かりが遮断され薄暗い灯りのみとなった部屋の中。水咽の腰をおれの手が擦った。制服のときよりもしっかりと感じられる腰のライン、下まで降りた手が上へとあがる。

その時にシャツをもそれに巻き込みそしてシャツの中へと手を潜り込ませる。すると短い声と共に水咽がピクリと跳ねた。

「佐疫、見せびらかしかな?」

木舌がビールを飲み干した。ゆっくりと起き上がりこちらに寄ってくる。甘さに酔ったおれの独占力が水咽を渡すまいと頭の中で叫んだが――木舌の服の上から胸を掴まれた水咽の声に忘れそうになる。
釘付けになる。


「ぁ・・・や、だ・・・そこお」
「んー?やなの?ほんとうに?」
「んっ・・・んっっ」

おれの目の前で息を漏らす水咽。眉を寄せ目を閉じて耐えているその姿に身体の芯が熱くなっていく。腰を擦っていた手は素肌を這いながらズボンの中へと伸ばした。下着の上から撫で回し、更に奥地へと。

水咽が妖艶な声で啼いた。

「ぁん・・・!」

ヌチュ。そうおれの指が下着の生地をどかし割れ目へと入っていく。

木舌はシャツのボタンを全て外し顕になった胸の先を摘んでは引っ張って弄くっている。おれと木舌に挟まれてあえぐ水咽は生理的涙を零しながらガクガクと震えている。
理性の欠片がこれ以上はダメだと制止する。

「あれ?ヤメちゃうの?」
「・・・おれは、」

やる気になっている木舌。
おれへと話しかけながらも胸を弄り回し水咽に甘い声を吐かせている。
ハッハッと喘ぐ水咽がおれへと顔を近づけてきた。葛藤で動けない。水咽の唇がおれを喰む。アルコールの味と濡れた唇が何度も触れる。甘い。

水咽の舌がおれの唇をなぞる。ゾクリと痺れる。相手が求めてくる。行為をしようと。求めて。限界だった。脳も甘い痺れに囚われた。

おれも舌を出し互いのを絡める。唾液が混ざり熱い息がかかる。舌を絡め唇を重ね口内を犯していき。手は水咽の膣内の更に奥へ。ビクビクと震えていた。膣内にはいる指の数が一本から二本へ増え壁を擦りそれから圧した。

水咽のうでに力がはいった。足に力が入らなくなったのかガクガクと震わせており木舌がそれを支えていた。

「んっふっ・・・ふ・・・!」
「っは・・・水咽・・・」
「水咽、俺にもちゅーしてよ」
「――ーは、ん・・・っんん」

唾液が糸を引く。離れていく舌に唇に寂しさを覚える。
水咽は背後にいる木舌と今度は濃厚な口づけを交わす。口の寂しくなったおれは水咽の首に口をつけ舐める。それでも足りない。おれは今こんなにも水咽を求めているんだ。甘い味をもっと。

水咽のズボンと下着を脱がす。膣に入れていた指を抜きそれについた愛液を舐める。甘い。親指と人差し指で割れ目を左右に開き、赤く腫れているつぼみを空気に晒す。皮の向けたそこを舐めればまた水咽が跳ねた。

とても気持ちがいいらしい。舌先でそこを突き弧を描き舐める。


「んんっ!んぁ!ぁあ!あああっ!」
「水咽のイク顔かわいー」

完全に木舌に支えられた状態の水咽。ヒクヒクと震えている。愛液も腿を伝っている。それを舐めとり自身の制服を脱いだ。木舌によりベッドに寝かされた水咽はすでに裸。おれと木舌の男二人も衣類を脱ぎ、裸となる。

おれの身体は細い。木舌の体はたくましい。下のほうも。少し悔しいな。

「佐疫は、下と上、どっちがいい?」
「・・・木舌は?」
「どっちでもいいよ。それとも――水咽に決めてもらう?」

ふふ、と微笑んだ木舌。こっちにきてよ、と呼ばれてやってきたのはベッドの上の水咽の顔前。寝転がっている水咽の眼前でおれと木舌の反り立つ性器が向かい合う形に。

なんだか妙に恥ずかしく思えてきて頬に熱を感じていると水咽がなんとおれ達の肉棒を掴んで口に寄せた。舌が肉棒の先を舐める。

「っ・・・ぁ」
「こりゃ・・・っ水咽は変態プレイがお好みなのか、なっ・・・」
「んふ、ふっ・・・」

更に欲する快感。口の間近まで腰を近づけるおれ達。筋を舐め、玉袋を口に含み舐める水咽は恍惚の表情を浮かべている。
口に肉棒が二本いれられ「んぐっ・・・」と吸い舐め、その先からでるであろう精液を求めていた。水咽への顔射。口射。

ぬるい快感はその連想によって激しいものとなり一気に限界へと達した。

「っ―――!」
「っ・・・!」

水咽の口の中に吐き出されるおれの精液。数回にわかれ吐き出されたそれは口の端を伝う。そしてその後に続いて木舌の射精。顔にかけられたそれは額から目、頬、口までを白く濡らした。とても興奮する。

「あー、お兄さん余裕なくなっちゃった・・・下の口にも、あげる」

木舌が場所を移動する。水咽と向かい合う姿勢になった木舌は水咽の足を広げると肉棒を、膣の中に突っ込んだ。

「―――ああ!?」
「っ締まってる、よ、水咽・・・!」
「ひは!あ!あ!はげし、よ・・・お!!」

愛液が混ざり合い音を立てる。木舌の腰が水咽の腰に叩きつけられる。そのたびに水咽は顔にかかった精液を指ですくい舐めながら嬉々として喘ぎ声をあげる。

それをみてまた反り返ったおれの肉棒。性欲に支配されたおれも胸元に跨り水咽のだらしなく開けた口へと肉棒を押し込んだ。そして腰をふる。

「んぐう・・・!う、っんふ!!」

唇の力加減が良い。舌が出し入れしている肉棒を絡め取り舐める。それがいい。上と下。

両方を肉棒で犯されている水咽はやはり喜々として受け入れていた。

気持ちがいいんだろう。
それとも本当に変態プレイが好きなのかもしれない。

「んぐっ・・・ん゛!ん゛ふっ!」
「水咽ってこんなことされてっ・・・喜ぶんだね」
「ぐっ・・・!うぐ!んんっ!!」
「男二人に下も上も犯されて・・・」
「んっ!ん!!んぅ!!んーーーー!!!」

激しい揺れが収まる。水咽がおれの肉棒を吸い刺激を与えてきたことによりおれも動きを止めた。痙攣する男二人と女ひとり。ビクビクと二度目の口射。さきほどよりも量の多いそれは口の中に収まらなくて口端からどろりと溢れこぼれていく。


「もっと犯してあげるよ」
「なら、次は佐疫が下だ」
「うん。水咽は激しいのがお好みみたいだよ」
「ほんと?そういうの得意だな俺。すんごく激しくしちゃおうかな」
「怪我はさせちゃダメだからね」
「わかってるよー」

白濁とした精液がゴプゴプと溢れ出ている膣。そこにおれの肉棒を押し込む。肉圧の力加減は強く、気持ちがいい。子宮の中。そこに精液を吐き出そう。おれは腰を叩きつける。

木舌も腰を振っていた。喘ぎはもはや女らしい艶のあるものではないけれどそれでも水咽がこうしてなるがままに犯されている姿は性的興奮を呼ぶ。
ああ。ごめんね水咽。

「くっ・・・!」

子宮内へと吐き出す。

甘い痺れで頭がどうにかなっているんだ。
どうにかなってしまったんだ。


ああ。
起きたら全部忘れてるのを、祈ろうかな――――